2020/02/05 0:19/鷦鷯飛蝗

この正しさと遣る瀬無さを誓った海に

あの夏、俺は咲いた

岩肌が

欠けた唄で割って

なんとか飲み干した傷の

揺るぎなさに縋った

なあ、咲いたらもう、枯れるしか無いんだ

咲かなくても枯れる草の

薫りを吸い込んでれる日々を

書き留めた日記帳はもう要らない

ピシッと並んだ、地雷原みたいな華

太陽を睨みつけて

萎んで消えた

辿り着けるだろうか

ミサイル達はうしおに消えた

塩の原に芽吹いて

劈開する花で焼いた泡を

薫りだけ吸い込んで荒れる意味を

投げ出した昨日ももう知らない

結い尽した喉元の夢も

鈴生りに絞まって逝くようで

山茶花が無くても

雨は放せる

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