2020/01/29 22:31/鷦鷯飛蝗

心の底面がフローリングに凭れて

ぶにぶにした触り心地が安心を委ねている

浮薄していた悲しみが足元を見つけたことを

寿ぐ雨が止んでは降り、止んでは降り

色を無くした瘡蓋の陰から

滲むような透き通った液として

色のついた恥じらいの気配がしてきた

強化外骨格としての宿と

体の構成物としての鎧

拡張脳としての端末と眼鏡に

宿の鍵と拡張プロトコルとしての財布を併せ持って

無欠の心持ちで闊歩する俺の

足許だって多分にモノクロで

強化外骨格の内に在って鎧を脱ぐのは

接続しながら場所を分けただけ

安心も恥じらいも

置き場所なんて見つけたくなかった

走った罅に怯えるからには

それ以上の恵みを夢見る

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