2020/01/27 21:59/鷦鷯飛蝗
夢というのはちょうどこの夜の
街角のような
暗く静かな佇まいであって
荒く目障りなノイズが走ります
薄い灰色の
ブラウン管のような閉塞感で
空の無い
閉じた空間を描きだします
熱も無く
匂いも無く
手触りも無い
そんな夢しか無いはずでした
あれはずいぶん前のこと
温く拙い夢をみて
視野は今より狭かった
夢は時には三人称であって
古傷のような
恥じて確かな二の舞を繰り返します
ループする各シーンの思い出が
前後関係を失いつつ輪転するカノンであるなら
展開する先には確かに変化があって
私が物語れないのも
そうしたカノンが許されないから
去り際などありません
ただ消え去るのです
去ると言うのが見送れるということなら
夢は決して去りません
気付くともなく
そこに居ないのです
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます