2020/01/15 22:40/鷦鷯飛蝗

存在しなかった時間を捉えて、一度だけ

繰り返してみても、居ない意識を知ったふりでいる

特別じゃない、ありふれてない、矛盾しない

つぎはぎにするのも億劫な、刻みかけの枇榔

憂鬱な空の鳥膚を拾って、雪椿

放射状に走る鮮度不詳の木枯こが

白々しくもない、薄黄身くすむ言い逃れ

圧迫が即ち脱走を促して、夕焼けが喉を映してる

ずっと拘泥している、誰も求めやしない彩

そうだ、そういうものだけ

ありふれた噴射の詰まらなさを唱えてみて

重心はどこか視界の奥に沈んでいる

ズレたような、削るでもない摩擦の労りの中で

心地よい無視と憧れを抱いて

続けるだけでも簡単ではない

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