2019/12/16 0:20/鷦鷯飛蝗

月の無い空を焼いた

変な匂いが鼻についた

降ってくる白い灰は

まるで冷たくなんて無くて

嘘臭い、認めない

触ったはずの声に

擦り抜けていく翠

集めてみたって

確かめようもない、命

陽も昇らなければ月も無い

どうしたんだよ、ケイシー

ヘの字の口が

紅い唇の奥に隠したものを

飲み下した朝焼けを

返してくれなんて言えない

言えないことはわかってる

ただどうか、

打ち損ねた一手を

確かめさせて

植えさせてくれ

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