2019/11/15 22:15/鷦鷯飛蝗

この街は知らない

この髪は知らない

眼窩の奥から誰かが

恨めしそうに俺を窺う

そうピリピリしなさんな


ピンク色の肉が

鈍くぬめっては

俺の喉を締め付ける

柔らかな摩擦も

いずれこの膚を削る


ぬちゃぬちゃと

足音を立てて眠る

ソムナブリストの吐息

耳にかかるまで

どうして気付かなかった?

サーモグラフィーに暴かれた

死に顔を晒して

俺の遺体を

捌きに来るのだ

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