2019/11/08 19:58/鷦鷯飛蝗

雪の降らない町に住んだ

暦の速度が遅いみたいな

錯覚だけに浸っていた

積もる埃は気にしない

ゴミを捨てる宛ても無いんだ

僕をかたちづくるものをとらえたい

今ならきっと埋もれて消える


荒ぶ夜闇を裂きたい

得物はいつもの槍しか無いけれど

躊躇を砥いで、凪を棄てた

グラつく足許だから踏み込める

砕けないのは枠組みばかりだ

中の宝石を欠いた

欠片が鳴っている

粒まで割れてくすんでいく

柳の落葉落花を凌いでく


何も遅くはならない

気付けばもう無いんだ

何回チャンスをくれる?

きっと全部ダメにしてしまうってわかってる

言い訳じみた何もが出ない

できるからじゃなく望むから

僕がかたちづくるものを掴みたい

誰が笑ってくれなくてもいい

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る