2019/08/23 19:27/鷦鷯飛蝗

十八の冬

心が餓えて

君と僕の熱が陽炎蜻蛉

酔い醒ましのはる

境界線の温度差

四阿に散乱した壁

触覚も嗅覚も意味を失って

いやに色を増した世界が

僕たちの上に覆い被さってきた


尾を引かない想いが

それでも斯界を選ぶのは

人が夜長を画くから

荒んだ背中を撫でるから


夜毎よごと根腐れの危機に

降り積もる雪を溶かせない

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