2019/08/20 22:29/鷦鷯飛蝗
響かない疾風と黒ずんだ床板を撫でる
記憶の断片がそこに切り出されていて
死んでからの積み重ねがきっと染みている
真鍮の経年に黄昏
憂いと怠惰に満ちた光が辺りを包んで
軒先の陽射しは横ざまに僕らを貫く
そのせいでこうして汗を着て
湯呑の水出し茶は氷の亡骸に薄められていく
寄ってきた蚊に引導を渡す、線香は効いてないらしい
雰囲気にだけ影響するその香りが
僕らの距離から意味を奪う
なぞれない右手が影に没して
浮かぶ眼も雲に隠れる
黄金が燃えて、真っ赤に僕ら閉ざされた後
何もなくて、ただ少しぬるいお茶が残ってた
場当たり可逆の変化もなく
寂しい笑みだけでその
浴衣の
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます