2019/08/16 22:59/鷦鷯飛蝗 - 庇寝欠き

遺失の藏なら乗じて縫えた

書きとれない想いを透かして

薊の陰に見えた

遺構のくらがりに

埋めるための泣き跡を

繕い隠して行ったあの日と

流れだした血の

報われなかった墓暴きの虚

背負わされた命と

吐き戻した死を抱いて

子守唄にも欠くみち

足の裏が爛れても

征こう

泥まみれの脛も焦がし

往こう

望まぬ仔ごと沈んででも

逝こう

誰も止められない道を

然るべきを容れられない世に背を向けて

蛭に塗れたその先で

干乾びるのも今在るよりマシと

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