2019/07/28 23:03/鷦鷯飛蝗

赤錆の船

白けた黄金

軋まず過ぎた

明日の横顔

遠く見えずに

そう刳りぬいた

揺らめいたその心の葦が

ほら、今君の墓を縁取って

固着した漣の鏡面を

僕だけが砕いていける

優しくなぞって体温で溶かした

そうやって骸に触れた

そういう再開でありたかった

けどごめん、これしかできない

蜘蛛の巣みたいな割れ目が走って

じゃない、そうだ、僕が走らせて

抉じ開けた湖の乱反射

世界がその分左右に動いたんだよ

こんなことができる僕になるまで彷徨い歩いていた

もんだから君は今や遥か水の底

赦してくれとは言わないけれど

砕け散った君の骸にでもいいから

僕の懺悔を届けさせてくれ

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