2019/06/22 19:03/鷦鷯飛蝗

僕が夢を見てる間に

世界が消えてしまっていて

残ったのは抜け殻だけ

もぬけの殻の街のうろ

ギアとチェーンが

がなり立てるような音で鳴く蟲の

姿は見えず

草葉纏いぬ


鉄錆の雨

血と香り

たちどころに軽業師


山際、黄金に背を向けたい

踵は痛くない

路傍の紫陽花、石灯籠

もう目を塞ぎたい


やりなおして

捩って

身をくぐして

避け得ない未来にかき暮らして

瑕疵もないうつつに起きたい

こんなの僕じゃない

口だけでいたい

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