2019/06/03 14:50/鷦鷯飛蝗
蜂か蝶かも判然としない蝉がふらふらと横切っていった二年前
午後、炎天下に白く焼け出されながら
僕は
明度を上げる世界に眼を灼かれ
諦めとともにタンクローリーの影に隠れた
スクーターが蔓延る昼下がり
肘を咬まれ
雲間という雲間を恨みながら痩せ細った三年前が見えた
無駄な往復は醒めながら夢中にある証拠であり
立ち上る汗の匂いに自己嫌悪を滾らせる
自意識過剰の自覚は敬遠の自己参照を始め
シャットダウンを知らない回路はそれでも回りつづける
差異を知らなかった
才を知らなかった
同じやり方で敵うはずもなかった
認めたく無さに駆けずり回り
虫さされと掻き跡だけが増えた
そうしてやっと今日の昼下がり
太陽は雲に隠れて
取り戻すために僕は登っている
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます