2019/05/16 18:36/鷦鷯飛蝗

踏み潰せない銀蠅

飛べない藪蚊が太って踊る

教室の隅に倒れた水筒

落日を見通せない窓の奥で木立がさざめいている

どこにもない藤棚から運ばれてくる香りは、ねえ、誰のもなの、本当は


橋をくぐると住宅街は更地になっていた

いつもの空き地は瓦礫に埋められて

ひしゃげた看板が立ち入り禁止をか細い声で謳っていた


そういう日々があったことはどこかに溶け去っていて

帰属を定かにできない僕達はだまって見下ろしているしかなかった

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