ぬいぐるみ惑星
いなば
第1話 むかしむかし・・・
むかしむかし…人類の宇宙開発がさかんで、さまざまな宇宙船があまたの星々にとびかっていたころです
その時代ひとりの博士がいました。すこぶる頭がよく、ロケット工学、テラフォーミング、ワープ工学、ロボット学、人工知能開発、宗教学、哲学、民俗学、社会学、数学、物理学、ジェンダー論、将棋、囲碁、チェス、ぬか床のよい作り方などなどありとあらゆる知識をもっていました。
しかし博士は名声も地位もお金もたいした関心がありませんでした。
博士は先天的といってもいいぐらいの人間嫌いだったのです・・・ああ・・・
博士は人間と人間社会を呪っていました。そしてある日「天啓」をうけたのです
「人間のいない理想郷を辺境の惑星につくって移り住もう!!!」
頭いいわりに発想が幼稚というかバカです。しかし博士はガムシャラに行動しました
大枚をはたいて辺境も辺境にある特別に資源がない惑星を買い取り、マジでテラフォーミングを開始したのです・・・バカげたことに個人の財産でテラフォーミングが完璧なものになるはずがなく、地球っぽい風景がかろうじて広がるだけのずいぶん安い惑星がそこに出来上がりました。
博士のしょうもない「天啓」に基づいた計画はさらにすすみました
AIを搭載した動物型のロボットを開発し、ロボット生産施設、エネルギー貯蔵施設、修理施設などを建造したのです。博士の財産はそこらへんで消えてなくなりましたが博士の命も消えかけでした。ガムシャラに行動し過ぎた反動で体を壊してしまったのです。博士は自分が造り上げたプロトタイプのロボットたちに自分が死んだあとのこの惑星の運営をくれぐれもたのむと言い残してあっけなく死にました。
人を呪わば穴二つとはまさにこのことです!
そしてプロトタイプのロボットたちが自己管理自己運営する「動物の惑星」はながいながい年月が流れ・・・
ぬいぐるみ惑星 いなば @yasutukada
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