神頼み
西田 正歩
第1話
昔、人の心に神様が宿り、もし苦労があり、人の道を外れそうになれば、神様が良い方に導いてくれると、誰かが言っていた。
僕は、その教えを信じ真面目に人のため、悪い道にいきそうになったときは、立ち止まり一息深呼吸して、自分の胸に手をあてて、呪文のように唱えた。
すると、少しばかり落ち着き考えを改め直し、僕は平和にくらしていた。
誰が言ったか、何故にその事を覚えてはないのに、ハッキリと言葉が残っているのか、全く不思議なのである。
ある日、高校に通っている僕の友達に彼女ができた。羨ましさで、ちょっと腹立たしく感じ、僕はフッと心の中の神に頼んだ。
『彼女がほしい』
そんな事まで、神が助けるわけないとわかってはいたが、それでも、神頼みしてしまった。
だが、願いは叶った。
一日たち、僕の目の前に彼女がいた。
それは、ベッドの中に見知らぬ女性がいたと言うふうが正解だろう。
「タケくん」
僕の名が、鈴川 岳 と知ってることから、彼女が間違って僕のアパートの部屋に入ったとは考えにくい、なら、この子は誰なのか?
「君は誰だい」
誰もが、多分始めに発する言葉であろう。
「何おかしな事を言っているの?
自分の彼女の名前も忘れたの?」
「いや、知ら---か・ご・め?」
「良かった、忘れたのかなって思ったよ」
いや、覚えてたわけではなかった。何か言葉が頭の中に入り込んできたのだ。それによって、口が動いたにしかないのだ。
しかし、ここで普通なら恐怖を感じなければいけないのだが、何せその女性の可愛いことで、『タケくん』と言われ、すぐに惚れてしまったのだ。
それからは、かごめとの生活が楽しくてたまらなかった。しかし、彼女は人前を恐れているのか(対人恐怖症)であることから家からは、でない生活をしていた。
一度だけの願いで、彼女は外に出た。彼女は喜んでいた。これだけ喜んでいるけど、彼女は人に話そうともしない。
本当に人が苦手のようだ。彼女に悪いことしたかなって感じていると、何か向こうで叫び声が聞こえる。
「何かあったんですか?」
走って逃げてきた男性に質問すると、刃物を持った男が、無差別に人を切りつけてるらしい、僕らも逃げようとしたときだ、子供が親とはぐれて逃げ遅れていた。
僕は、その子供を持ち抱えて逃げようとした。
しかし、その時には犯人は、僕の目の前に立って微笑み浮かべて、立っていた。
・・・・・・殺される・・・・・
僕は震えて体が動かない、その時だった。犯人の前にかごめが立って、僕らを守るためか、手を大きく広げていた。
「岳くん願って、胸に『助けて』て願って、」
「かごめ、なっ何やってるんだよ」
「いいから、早く」
彼女のいってる意味がわからず、何もできない、すると犯人が、走り出してきた。
「お願い、早く」
僕はフッと彼女の言った言葉に記憶が蘇った。 (助けて)思いを込めて言った。
犯人が向かっている、彼女を襲うかと思ったが、しかし、彼女の体をすり抜けて、僕の方に襲ってきた。
だが、犯人はどこかに消えた。
「助かって良かった。」
「君は人じゃないのかい?」
僕が訪ねると、彼女は頷いた。
「お兄ちゃん、誰と話しているの?」
この子供にも見えないのか?
「ほら、僕はお母さんの所へ戻りな」
子供から離して、彼女に問いかけた?
「君は、小学生の時に倉の棚から落ちそうになってた僕を、あの日助けた幽霊さんなんだね!」
「幽霊とは違うけどね、人間の誰にでも宿る神様なの!私はあなたの事が好きだった。だから、どうにかしてあなたに会いたかった。子供の頃の純粋な心があれば、また、会えるんだけどね!
大人になるとそれが薄れて、あなた達には見えなくなるのよ」
「それが、今年等々願ったわけか(恋人がほしい)って」
「そう、本当なら人間の誰かを紹介しないといけないけど、私を捧げたってわけ、でも、もしバレたらあなたも私も記憶を消さないといけないの、子供の頃は、君も幼く記憶を忘れると見込んで、両者とも記憶を採られずにすんだのださ、
でも、今日私はあなたの前で、力を使いそれを見られてしまった。・・・おしまいね」
「最後にいいかい、犯人は?」
「警察の前にやったは、今頃捕まってるはずよ。」
僕は、最後に何かできないか悩んだ。
そして、1つの願いを思いついた。
彼女自身も赤面している、僕の最後の願いが届いたようだ。
「サヨウナラ、岳くん」
「さようなら、かごめ」
抱き合いながら、熱い口づけをした。それを終えたとき、目の前に・・・何かの・・・何故?・・・僕がこんな駅前に来ているのか?
・・・謎であった・・・
完
神頼み 西田 正歩 @hotarunohaka
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