第6話呪いの言葉


「死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね・・・」

5分間に続く、同じ言葉が電話の向こうから聞こえてくることに、あなたは耐えれるだろうか?僕の姉(久須美)は、ある人間の実験体として、お金を貰い半年の実験に耐えていた。

しかし、いつからか姉は、気が狂い始めていた。「死ね」の言葉が、姉の心を蝕み始めて、姉は浴そうで死んだ。

姉を実験体にしていたのは、大学の同級生でもある(眞鍋)という男であった。

姉と一緒に、この言葉の呪いに対する実験のパートナーであった。

姉が、実験体に志願したのは、十万の金が目当てもあるが、その(眞鍋)を愛していたからだった。

僕はその(眞鍋)のもとに乗り込んでいた。

心理学のサークルに入って、パソコンを打ちながら菓子を食べる姿に、想像していた人間とかけ離れていたことにショックしていた。

精密機械の前でボリボリ菓子を食べることは、余り良くないのでは?機械音痴の僕でさえ思えたことだ。

「眞鍋さんですか?」

パソコンを見つめていた彼は、私の方をチラッとみると、また、パソコンを見つめている。

「君は誰かな?」

「あなたが、殺した久須美の弟です。」

あれだけ、カチャカチャとなっていたキーボードの音が止まり、「久須美の・・・?」言葉を無くし、僕の方をまた見たのだが、彼の表情は笑っていた。

「なっ何が可笑しいんですか?」

「いやいや、考えていたより、遺族が私の所に来るのが遅いと思っていたからね。」

「おっ遅いだと、人を馬鹿にしているのか」

彼の態度にイライラしてしまう。

「とんでもない、不快と思ったなら申し訳ないです。しかし、彼女はあくまで同意して、私の趣味としての実験に参加してくれたし、金まで支払っていたんだ。」

姉は同意して、(死ね)の実験体になったこと、それに対して金を貰ったことを聞いた。

だが、肝心な姉の狂いはじめた頃のことは、聞いていなかった。

「姉は、ある日を境に狂い出した。お前が何かしたに違いない。どうなんだ?」

菓子を食べ終わり、ゴミ箱に捨てながら、ある写真をてにしていた。

「原因はこれだよ」

写真には、姉と共にホテルに入る男の姿が、

「誰?この男」

「うちの大学の先生さ、その先生は妻子いるのに、君の姉さんと恋仲だったことさ」

その写真を見て、一度家にその写真の男が来た覚えがあった。

「この写真のばら蒔きが姉を死に?」

「違うんだな、お・ど・し、この写真を撮ったのはこの私なんだよ。君の姉さんは、半年の中で一ヶ月半後、少しずつ落ち込んでいた。それは(死ね)の連続にイライラしていたからだった。だが、久須美は慣れてしまい。それ以上の成果は出なかった。だから、あの写真を送りはじめた。

この私が、送ってるとも知らず、この私にばれないようにしている哀れさは、滑稽であったよ。久須美は少しずつ仮面が外れ出した。

恐怖(写真を送る)を一瞬やめて、私は久須美に別れを告げた。実験中の別れ話、中止も考えたが、やりたくてたまらなくなった。

イライラとしてはいたが、久須美は静かに笑って『そうなんですね?私嫌われちゃったんですかね』うん、いたたまれなくなってしまい、このまま彼女として実験を続けてしまえば、いつか躊躇してしまう。

だから、実験中の間だけ別れようと久須美に言った。」

久須美は「はい」と笑う。

「その瞬間、久須美との話を終わらせて、私はテーブルの本を持ち上げた。その時、テーブルの上にあった封筒を落とした。猫のシールで、封されたものだった。その封筒を久須美が見た時、涙を流して部屋を出た。

わかるかい、写真を入れていた封筒に猫の封がされてあって、それを久須美は私の前で見てしまう。

わかるかい、決して知られたくない人物が優しさと共に別れを告げるだ。どうだろうね?

こんなことで死ぬのかな?

言葉の呪いで彼女は死んだのかな?

それとも、私の別れで死んだと思うかな?」

「しっ知るか、姉さんをお前はどちらにしても殺したんだ。」

「なら、君も殺せばいい、その横のバットで私を殴り殺せばいいさ、」

「そっそんなこと・・・」

「何故、写真を撮った張本人なんだ。その涙を流した久須美を見て・・・可笑しくてたまらなかった。」

その言葉がスイッチだった。

気が付くと、眞鍋を殺していた。

パソコンの画像をみると何かが送信された後だった。

画面が戻り、見るとそこには、言葉の呪いの文字がかかれていた。それは実験のレポートであった。

そして、最後レポートのページに書かれてあったのは、自分の告白により、被害者の遺族による復讐であったのだ。

彼は殺される前に 、レポートをネット上に載せるために 送信に合わせていた。

そして、僕が本気とわかると、送信ボタンを押し、ネット上に拡散することが、全てレポートに書かれていた。

僕は、最後まで眞鍋に遊ばれていた。怒りが溢れだし、持っていたバットで、パソコンを叩き割った。それは気が狂った鬼のように、涙を流しながら・・・

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