さらば青春
俺は今、譲に外に連れ出されている。
裸の格好にさせられ、首輪にさるぐつわ、犬の尻尾のような玩具をつけられて…。
俺は現役警察官だ。
警察官がこんな事をしている、またはさせられているのを見られた場合俺は警官としての立場を失ってしまう事になるのは必須。
俺には夢があった。
それはライバルの異締反則を打ち負かす事だ。
しかしそれを成し得ないまま警官を辞めさせられるのは嫌だ。
しかし譲を立ち直らせたいと言う気持ちもまた強く、今は譲の欲求に答えてあげるのが得策とも考えた俺はこうしてあられのない格好にさせられて犬のように譲に手綱を握られ、四つん這いで地面を這いで行かなければならなかった。
街中に照らされるライトが怖い。
それを人に見られると思うと…。
グングン…。
譲は俺の方を見ている。
汗で照らされた背中、そして大きくなっている俺の棒を…。
「さっき出したのにまだヤリ足りないのか?心配するな、後でたっぷり可愛がってやるからよ!」
譲は口汚く罵ってくる。
しっかりしろ俺!こんなの人に見られたら俺は警官を辞めざるを得なくなり反則とも戦えなくなってしまうんだぞ!
そんな気持ちとは裏腹に脳裏が熱くなってきていけない願望が俺の中に芽生えていく。
「しっかり歩けよ♪こんなの見られたらお前立場危ういんだろ?俺はどうなっても良いんだがな♪」
譲は自分が今捕まっても譲には失うものも無いと言った。
だがそれは違う!
譲には少なくとも心配してくれていた母がいる!
俺は警官と言う肩書きが無ければお前同様…いやお前以下の人間だ。
進んでしばらくすると公園が見えてきた。
ここまで来るのにドキドキしながら譲についてきていたが運良く誰にも見られなくて済んだようだ。
「あそこでしばらく休憩だ、良かったな、誰にも見られなくて…」
「わ…わん!」
俺は犬とされていた為わんっと答えるしか無かった。
「ぷぷぷ…本当に犬のおまわりさんだな…傑作だこりゃ♪」
譲は笑い出す。
俺としては何も面白くない。
少し休んでいるとどこかから下ガサガサと言う物音と甲高い悲鳴のような声が聞こえてきた。
狐でもいるのだろうか?
「あ…ありゃ…」
ベンチに座っていた譲が立ち上がりある方向を見据えた。
何か珍しいものでも見たかのような表情になっている。
そしてゆっくりとその方向へと近づく。
俺は手綱を握られていたので譲のいく方向をついて行く事しか出来ないので譲と共に向こうの暗がりへと足を歩む。
そこは
動物ではなく、人間の!
しかし譲の様子がおかしい。
普通それを見れば男なら興奮するだろうが今の譲は違っていた。
譲は拳をギリギリと握りしめ、表情は誰かを殺しかねないような…とても正気を持っていないような顔になっている。
向こうを見て何故か怒気を表している譲に俺が理解するのも時間はかからなかった。
向こう側で美女と遊んでいる相手…。
それは俺と譲にとっての永遠の敵、異締 反則がいたからだ!
譲は正気を失いそこに駆け出そうとする。
ヤバイ!このままでは譲は反則を襲いかねない!
「やめろ!」
俺はそれを止める。
今は犬だろうが関係ない!
ここで止めなければ俺の目的が全てパーになってしまう!
ーー反則SIDE
俺は彼女と普通のプレイでは物足りなくなり公園の藪森でプレイを楽しんでいた。
まあ、俺もこんな所みられると警官としての立場は危ういんだろな♪
しかしそれでこそスリルが楽しめるってもんだ。
そんな時ガサガサと物音と共に「やめろ!」と言う男の叫び声が聞こえてきた。
「どうしたのぉ?」
目の前には裸の女がもっと欲しそうに俺の方を見ている。
「なんか男の叫び声が聞こえたような…」
俺は叫び声がしたであろう方向を見据える。
「赤の他人でしょう?プライベートまで警察官になる必要無いじゃない♪」
「そうだな♪」
そして俺たちは彼女とプレイの続きを楽しんだ。
ーーー
譲が反則に襲いかかろうとするのを何とか俺が止めた。
「譲!悔しいのはわかるが今すぐこんな事はやめろ!こんな事続けていると更生からますます遠ざかってしまうぞ!!」
譲の力は弱まる。
「お前だってあいつを恨んでいるんだろ?殺したくなるくらいに…」
譲は催促してくる。
「言ってたじゃねえか?今も反則の野郎を恨んでいるって!」
『反則は今でもいじめられた俺たちから恨まれている…』
確かにこう言った。
しかしそれは暴力で解決するという意味ではない。
「チャンスは今しかねぇ!あいつは今一人だ!二人で襲いかかればなんて事無いよ!」
譲は更に俺に復讐を駆り立ててくる。
「俺は暴力では無い、見えない実績でアイツを打ち負かしたい!」
「お前…何を言って…」
「残念だが俺は警官だ!そして反則も警官だ!
俺は不意打ちと言う形で奴を打ち負かしても何も嬉しくない!」
「だからそれがどうしたってんだよ?」
「今は俺と反則はライバルとして実績を競い合っているんだ!不意打ちとか多人数で奴をボコボコにしたいのはわかるが俺はそうじゃないやり方で反則をやっつけたい!」
坂丸はそう答えた。
坂丸のその言葉に譲も流石に何も言えなくなったようだ。
(坂丸…お前もやっぱり男だったのか…)
いじめにより高校を中退して以降クズ同然の生き方を歩んできた譲だったが坂丸の強い意志を秘めた瞳、卑劣を好まず実力で相手を打ち負かしたいと言う熱い情熱に何か突き動かされるものがあったに違いない。
「だからこんな事はやめようぜ譲!俺がお前を一人前にして嫌でも反則みたいに女にモテるようにしてやるから…!」
「坂丸…」
そして譲は坂丸に出来るだけの布を被せた。
「こんなもんしか無いけどよ?これだったら他人の目を気にしなくて済むだろ?」
坂丸は裸の状態で譲についてきていた。
確かにこのままでは帰れない。
だから譲の上着一枚だけでも被せればまだ他人の目を気にしなくて済む!
「ありがとな、譲!」
「いいってことよ!ダチだろ?俺ら!」
そう言えば譲のそんなさわやかな笑顔は高校の時以来だったな!
うまくいけば譲は上手く立ち直れるかも知れない!
坂丸は今の譲に希望を見出した。
…しかしそれが間違いである事に気づくことに時間はかからなかった。
帰り道、コンビニに行き着く。
「俺は先に帰るからお前、俺らのお菓子とエロ本買ってきてくれや!」
そう言うと譲はポイっと小銭を俺に渡す。
「え?でも俺こんなカッコだし…」
「何なら警察に言っても良いんだぜ?警察のお前が警察に相談したらお前の立場も危うくなるのは目に見えてるんだがな?」
そう言う譲はニタリと笑っていた。
警察である俺が犯人に捕まっていたり人質になったりしてしまうと警察としての地位は下がる、こうなったらライバルである反則とも更に差が広がり争うどころじゃなくなる。
それに今の俺は譲を改心させなければ!
今の俺には譲に従わざるを得なかった。
そして俺はコート一枚のままコンビニの入り口の前に立つ!
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