あの頃わたしは若かった

 いつも読ませていただいている方のエッセイで、思わず「おおぅぅ」と心の声が漏れちゃうくらい共感した事があったので、今日はその関連で。


 今もありますけど、若い頃のわたしは「嫌われたくない」という気持ちがすごく強くて。


 その為にしょーもないというか、それ意味ないじゃん!という行動をしていました。


 その中でも記憶に残っている出来事。


 その日は一応デートでした。

 わたしはそんなに異性と縁があるわけでも気軽に話せるわけでも無く、その頃(高校時代)もドキドキというよりも、まずは怖くなく話せる人というのが一番でした。


 勿論、そんなわけですから、ガチガチに緊張です。

 一応、おめかしらしきものをして、本屋さんや、街を歩いて喫茶店に入ったりして、デートは無事に終盤を迎えようとしていました。


 その時です。

 緊張している上に喫茶店で冷たいものを飲んだのがいけなかったのか、わたしのお腹はシクシクと痛くなってきたのです。

「どうしよう……」

 もう、冷や汗どころじゃない脂汗です。


「言えない、お腹痛いからトイレに行きたいなんて言えるわけない」

 わたしは頭の中でとにかく恥ずかしくなくこの場を去る言い訳を素早く?考えました。


 それで出てきた言葉が

「ごめんね、なんか、気分が悪くなって……吐き気がするから、急いで家に帰るね」


 おーい!

 今なら、すかさずツッコミ入れるでしょう。

 ”お腹痛いのを隠すために気分が悪くて吐きたいとかソレ、ほとんど意味無いからね”

 と。


 ああ、あの頃わたしは若かった……。


 ポカンとしている彼の返事を聞く余裕すらなく「ホントにゴメンね〜〜〜〜」の声を後に残しながら、わたしは全力疾走して家へと戻って行ったのでした。


 その後?


 聞かないでくださいまし(T‐T)

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