チーズの国の王子様

 これは末っ子がまだ3歳くらいだった頃のお話です。


 末っ子は兄弟の中では一番大きく育ち(180少しあります。兄たちは180に少し足りないくらいです)ました。

 いつも間にか、わたしが家族一の小柄(とは言っても160はあるんですけど)になりましたが、これはこれで嬉しかったり(屈折してオリマス)



 そんな末っ子ですが、小さい頃は大層甘えん坊でわたしにひっついてばかりいました。

 夜寝る時は腕枕をしてやり(背中には次男がへばりつき、末っ子の腕枕越しに長男の手を握ってたりしてました)


 さて、絵本をひとしきり読んだあと、オリジナルのお話をせがまれるのですが、これが難しい(汗)

 毎日の生活でクタクタになっているのもあって創造力なんてものは枯渇しています。


 キラキラと期待でいっぱいの子供達。

 ううううう…母ピーンチ!


 そこで思いつきました。

 そういえば末っ子はチーズが大好き。


「えーと、あるところにチーズで全部ができたチーズの国がありました。」


『(キラキラ目)うんうん、すごーいそれで?』


「チーズの国にはM(末っ子の名前)という王子様がいました」

「王子様はチーズでできた冠を被り、チーズでできた洋服に鎧、チーズの剣を腰に下げて冒険の旅にでかけました」」


『ねえねえ靴は?』


「う、うん、勿論、チーズで出来てるんだよ」


『うわぁ!!(感嘆の溜息)』


「チーズの冠とチーズの洋服にチーズの鎧をつけて、チーズの剣を下げた王子様はチーズでできた道をずんずん進んでいきます」



 こんな、もうチーズに頼りきったようなヘボい話なのですが、結構これが受けまして。

 とにかく、出てくるものは全てチーズ。

 チーズの家にチーズの花にチーズのなる木は勿論チーズで出来ています。


 大抵、この辺で寝付いてくれるので、チーズ怪獣との戦闘まで行き着くことはあんまりありませんでした。

 行き当たりばったりだったので(こういうところに大雑把な性格が(汗))いつも結構冷や汗でした(笑)


 懐かしいなぁ

 そして、あの頃から語彙と創造力乏しかったんだなぁ(トホホ)


 今じゃみんな大きくなりましたが、末っ子は懲りずに今もチーズ大好きなようです(笑)

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