バケツプリンの野望

 これはまだ実家暮らしをしていた20歳前後頃だと思います。


 幼い頃から丸ごととか、どでかいとかいうフレーズに弱かったわたし。

 でもプリンもゼリーも市販のでは限界があります。

 そんな時に見かけたバケツプリンという文字。


 な、なんですと!!!


 それはプリンの材料とバケツ(くらいの大きさの入れ物)のセット販売でした(と記憶していますが細かいところは曖昧)


 うーーーむ、作って食べてみたい。

 しかし、容器込みの為か、それなりのお値段。

 貧乏性のわたしは考えました。

 どうにかして家にあるものを代用して作れないものか・・・。


 はっ!

 閃いたのは一番大きなボウルの存在。

 ふふふ、これなら・・・

 そしてプリンの素なら市販に売ってるじゃん。これを数箱買ってきて。

 そうだ!

 ゼリーの素も売ってるよね。

 これも数箱買ったら、でかゼリーもできちゃうよ!


 ハッキリ言って不器用なわたしでも、これなら長年の夢が叶いそうです。


 はい、勿論買ってきて早速作りましたよ。

 まずはプリンから

 ボウルの形状もあって少々なだらかな感じにはなりましたが、念願の「ボウル(大)プリン」です。お皿にふせて取り出したのにカラメルソースをかけて、周りに缶詰めのチェリーを飾り・・・。


 で、できた!

 大きなお皿の上でプリンがフルフルと誘惑するように震えています。むふふふふ。


 さすがに独り占めともいかないので、両親や祖母と分けて食べたのですが、密かに次回はゼリーで作ってみようとか、その時は、こっそり作って独り占め出来ないかなとか(なんという欲張り思考(汗))考えている若き日の卑しん坊のわたしなのでした。


 そして、その後も、わたしの”どでかもの”への野望は果てしなく続いていくのです。

 フッフッフッ・・・

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