入院生活
精神科へ入院するなんて、私はありえないと思っていた。
というか、入院自体が初めてだ。
会社から退職証明書や離職票やら届いた。
…あっさりと退職となった…
普通の退職だったら挨拶周りや送別会やら大変なのに。煩わしい事を回避出来て良かった。
入院中
私は誰とも接するつもりは無かった。
入院患者への偏見があったからだ。
食事は、初日に一度ロビーで食べた時に他の人の指定席だったらしく、嫌な顔をされた事があった。
知らなかったが、みんな食べる場所か決まってくるらしい。仲良くなるからだ。
まあいいや、私は自分の部屋で食る事にした。
まあ半数近くの人は自分の部屋での食事だったが。
入院から数日、ある日ロビーで共有テレビを見ていたら、あるおじさんが話しかけてきた。
Yさんとしよう。
Yさん
「おはよう、私も最近入院したんだ、宜しく」
私「あっ、宜しくお願いします」
Yさん
「仕事は何をしてるんだい」
いきなり率直に聞くなぁ…
私
「…町の大手企業です…」
Yさん
「そうすると○○B社かなんかかい?」
私
「あ~…いや…A社です」
Yさん
「!、俺もだよ」
…ここにも居た… そんなに驚かなかったが。
愚痴大会が始まった。特に人事に対する愚痴が多かった。
書いた事は無かったが、人事の休職担当はミスが多かったからだ。
人事の仕事の何が難しいのか?忙しいのか?
楽勝だろう、俺に変われよ~なんて。
Yさんは双極性障害Ⅱ型らしい。
入院してる割りには全くそうは見えない。
入院して1週間位して大部屋に移った。
4人部屋だ。
嬉しかった、今までの部屋と違い、地デジコンセントがあり、TVを持参すると見られるからだ。
その日は日曜日、いそいそ設置して、その日は毎週見ていたサンデーモーニング、ワイドナショーが見れた。
TVは夜は10時まで見られる、大部屋とはいえ快適だ。
入院して2週間もすると、友人が増えていた。
4~5人か、世間話や自分たちの今の状況等語り合い、暇潰しをする。
タバコを吸う人が多かった。禁煙してた人も暇潰しにまた吸ってしまう人が多かった様だ。
食事は…あまり美味しく無かった。
魚の日が多かったが、何より味噌汁が駄目だった、私には臭かった…
残す日が多かったが、空腹感は無く間食する程では無かった。
入院2週間程すると、流石に暇を持て余してきた。
ゲームでもしよう、私はネットでPS4を購入した。
カセットはFF15とドラクエ11だ。
外泊許可を貰い、PS4を病院に持ってきた。
当然だろうが、精神病棟、持ち込み品はチェックが入る。
凶器や、ライター、その他持ち込み禁止品の有無を調べられる。
タオルでぐるぐる巻きにしたPS4、衣類と一緒に袋にまとめていた。
もう1つのバッグにその他もろもろ。
「ちょっと調べますね~」
PS4のバッグに手が入る。
ドキドキ…
「何ですかこの固いのは?」
私「あ、それは…DVDプレーヤーです」
もう1つのバッグも中身を見られる。
「はい、大丈夫です」
ふぅ…こっそり持ち込んだか、いいのか?
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