第29話 復職
復職する前に、「お試し出社」てのがある。
休み扱いだが、試しに出社してどうか判断しようという感じか。1~2週間程。
流石に初日、事務所に入るのは緊張した。
不登校児童が学校に来行った!みたいだw
当然大人達、そう特別扱いせず、しかし気を使って接してくれる。
皆分かっているのだ。慣れている。
初日から課長が私を個室に呼び出す。
何かと思えば、「私のランクを落とす」と伝えてきた。当然だろうが、給料ダウンである。
なんか少し話が長くなってきている気がするので、復職した時の話は割愛しよう。
結局、休職する前とほぼ同じだったからだ。
2ヶ月もすると、あれこれ言ってくる。
もちろん断った案件もあったが、皆の能力に全く付いて行けない。
本当に高校に間違えて入学した小学生の気分だった。
「あの件、何処まで進んだ?」
「この件は今月中だ、分からない事は誰々に聞いて進めてくれ」
会議では容赦なく私にも質問が飛ぶ
日に日に追い詰められていく…
復職して2ヶ月半位経ったある月曜日、私は会社に行けなかった。病院に行った。
私「先生、入院させて下さい」
先生
「…そうか…」
「やはり○○部署では無理だったか…」
先生は驚いた様子だったが、月2回の通院で話はしていたし、何より部署移動が駄目だったので、時間の問題だと思っていたのだろう。
先生
「力になれなくてすまない」
自分の患者がこの結果だ…残念そうだった。
満床だが、保護室?らしき部屋は空いてるらしく、次の日には入院した。
入院して初めて産業医の所のEさんに連絡した。
「入院しました」と。
課長には連絡出来なかった、変わりに伝えてもらった。
次の日、人事からメールが来た。
○○さん、あと5日連続で休むと自然退職になります。
「…………一応、復職してみた、チャレンジしてみた…でも、やはり無理だ」
…………私は退職を決意した。
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