第3話 仕事
かくして私のA社での仕事が始まった。
なにはともかく、頑張って一日も早く慣れよう
まず、朝は少し早く出勤してメールの確認をする事にした。が、係長にすぐに注意された。
理由は聞かなかったがおそらく在場時間と勤務時間のズレが分かると思われる。
…流石である。
最初から何か出来るわけではないので、とりあえず教育担当に付いてまわる。
製造現場での仕事を難易度10段階で説明する
オペレーターの作業…アラーム(エラー)の解除
、材料の補充、ロット交換等…レベル1
上位オペレーターの作業…段取り替え作業、定期点検作業等…レベル3
このあたりまでは派遣社員の仕事となっていた。
メンテナンス員の作業…装置故障時の対応、装置改善、時にはバグ対応…レベル5
ここは主に20代の若手社員の仕事だった。
レベル5以上となると新規品の試作、他装置への生産品移植、プログラムの変更他、技能の要る仕事になってくる。
概ね新卒入社して10年以降のベテランに任せられる。
※開発関係は他部門だったので除外
因みに私の教育担当はレベル5以上の仕事に従事しており、あまり理解出来ない。
製造ラインでの作業時に一緒に居て質問しても返答の意味が理解出来ない。
本人が言っていたが「教える気は無い」との事。
「放置」であるが、忙しそうだ仕方ない
まあ…まずはレベル1~3を習得しないとなぁ
ここで意外な壁が発生する。
同じ会社内の同じ場所で仕事をしているが、派遣社員(別会社の人)なので質問等、あまり話かけるなと言うのだ。
ちょっと困ってきた、まあ毎日上を通せばいいのだか、「社員のくせに」が見え隠れする。
第2話の冒頭の違和感が分かった。
常時3千人、交代要因含め7千人、様々な協力会社の人員が一工場に居る事で、完全に「他人」化しており、冷たい空気が漂っている。
私としては仲良くして協力を得たいと思っているが、ギブアンドテイクの状態じゃないと相手にしてくれない感じだ。
またネガティブな事ばかり書いているが、これも想定内。大丈夫。
幸いな事に、社員には自分専用のパソコンを与えられていて、装置情報、過去のトラブルといった情報の共有、インターネットでの検索等は自由に出来た。
3ヶ月間、試用期間との事で無理はさせずに主には教育期間との位置付けの期間であった。
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