第2話 A社での1日目
A社への入社初日、誰もが緊張するであろう配属部署への移動。違和感を感じた。
皆ラフな格好でパソコンを操作しているが、スーツ姿の新入社員の私をまるで存在しないかの様に、視線すら向けてくれない。
自分のデスクに案内され、隣の人に挨拶する。
反応が薄い、しかも全体の半分位は席を外している。まあ製造業だから現場に居るんだろう。
今日、全員に挨拶して回るつもりだったか諦めた。とゆうかそういった雰囲気ではない。
早速、課長から話が始まった。
A課長と呼ぼう。一時面接で某メーカー装置に関して一番質問してきた人物である。
「君に担当して貰いたいのは某メーカー装置以外の装置だ」
??
何故ですか?私のそこを買ったのでは?
「扱える装置(工程)を担当しても意味が無いだろう、他の装置(工程)を覚えなさい」
そうゆう事か…
中途採用とはいえ、右も左も分からないので教育係が一名付く事になっていた。
5歳程年下の彼から装置の教育、日々すべき事、ノルマ、毎日の指示を受ける。
年上、中途入社の私に対し明らかに嫌気感を発していた。
※補足
A社の社員に対しネガティブな事を書いているがこれは想定内である。
新卒新入社員と違い中途採用者は何をどのレベルで出来て即戦力で役に立つのか?何者か分からないからだ。
製造現場を案内させてもらう事に。
入室手順からして前社とは全く違うが、とにかく広い、説明を受けるが半分も理解出来ない。
一番のショックは8割方「A社内製装置」だった事だ。
要は「自分の会社の人達が我が会社内で使う為に作った装置」である。
この「内製装置」が厄介なのは他社に「売る」目的が無い為に設計ミスやバグが多発する事である。
「作った人が社内に居るなら相談できて便利」
と思うかもしれないが、全く頼れない。
全て自分たちで維持管理、改良等行わないといけない。
そんな装置が何十台とあるのだ。
1日目にして私は「ここで即戦力として勤まるのか」?
と不安になった。
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