時が止まればいい

川端月子

初めに

時が止まればいい。


二十歳を過ぎ、ぼんやりと数年を過ごし、現在。そんなことを考える日が多くなっていることに気が付いた。


育った家庭環境の影響か、私自身が結婚し子育てをすることなど、死ぬまでないと思っていた。そのような考えも、上京し、大都会での一人暮らしに疲れると薄れてくるもので、現在の私はゼロ歳児の育児真っ只中である。


育児をしていると、過去を振り返り懐古することが多くなったように思う。

幸せな記憶を思い返しては、切なくなって涙が溢れるのだ。


このエッセイでは、著者である私の過去を気まぐれに懐古していこうと思っている。

幸せで、美しく、時が止まればいいと思える思い出だけ、ここに。

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