恋の詩

夢追い人


夢を追う君

君を追う僕


君の視線の先には

どんな世界が広がっているの?


僕の視線の先には

君の背中しかないよ



追いつきたくて

走っているのに


隣に並びたくて

走っているのに


一向に縮まらない キョリ



いつか

離れていくんじゃないかって


いつか

見えなくなるんじゃないかって


不安でたまらないから

僕は走っているよ



君は

僕のことなんか見てないこと


君は

未来にしか興味ないこと


知っているけど

振り向いてほしい



足がもつれて 転んだ


膝はじんじん痛んで

疲れも押し寄せてきて


もうダメだよ 動けないよ

君の姿は 遠くなった



泣きたいよ


君が引き返してきて

手を差し伸べてくれる


そんな夢を見てる僕は

どこまでも甘くて


泣きたいよ……



誰かが僕の手を引き上げた

誰かが僕の背中を押した

誰かが「諦めるな」と言った


僕はされるがままに

走り出した


小さくなった君を

追いかけた


(2009.2)

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