お題【余】 カラフル
アカデミーでの実技が嫌いだ。二人一組。最悪。いつでも余る僕。
ESPスキルはいくつかのカラーで特性を表す。僕のスキルは「ブランク」。何も決まってないってこと。
ブランクと付き合うとカラーが薄まる、って迷信があって誰も僕とは組みたがらない。
転校生のカラーが発表された時、クラスはどよめいた。「カラフル」、滅多にいない多色の持ち主。
実技の時。大勢の生徒が組みたがる中、彼は一人ぼっちの僕について質問したらしかった。
「あいつ、ブランクで、余り者なんだ」
そう聞くと、彼は僕のところへやってきた。
「余りなんかじゃないよな。僕と組もう。僕のこと、待っててくれたんだろ」
そして僕の白かった世界は、鮮やかに色づいた。
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