エントリーNo.07
休日のオープンテラスは格差社会の縮図だ。
明るい日差しのもと、余暇を満喫する何組もの家族連れ。パラソルの下で談笑する人達や、芝生の広場で子供を遊ばせる人達。都会の喧騒を離れたこの場所は、彼らに日々の仕事や家事を忘れさせるオアシスだろう。
父親の腕に抱かれたあの幼い男の子は、きっとまだ知らないに違いない。テラスの奥の赤く綺麗な建物の中では、かれの父親の半分ほどの時給も貰えない人達が、かれらを笑顔にするために何時間も立ちっぱなしで働いていることを。
緑豊かな川辺に向かい、傾斜のゆるい階段をトテトテと下りていくあの女の子も、恐らくはまだ知らずにいられるのだろう。彼女のような子供を生み育てることは、もう、この国では全ての大人が享受できる幸せではなくなってしまったということを……。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます