第31話 15の災い。その15

「ねえねえ、ペリー。」

「なに? ちいちゃん。」

「惜しいわね。少年少女剣客隊でなく、現代ドラマの災い高校の文芸部とかで、実写化のドラマや映画化を狙えるレベルね。」

「そうなれば、ウケるなら女子高、男子高。狙うなら驚愕の恋愛モノ。別々から合同が鉄板ね。」

「全ての原因が、意外に掛け合い漫才が書けてしまった、ということね。」

「フッフッフ。怖い、自分の才能が怖い!」

「ペリー、キャラ違いすぎ。」

「おにぎりはあげないよ!?」

「いらんわ!」

「それにしても楓は、毎回、登場する時はおにぎりを食べながら登場するけど、そのお米はどこで手に入れるのよ?」

「闇市!」

「じゃあ!? そのおにぎりはヤミ米!?」

「バレたからには生かしては置けない。ヒッヒッヒ。」

「やめい。梅干しやるから。」

「はい。梅干し頂戴。」

「認めよう。私たちは災いだ。」

「潔いな。」

「おまえとは違うのだ。」

「キャン~。」

「ということで、ポイントは、少年少女剣客隊は災いとして、自分たちが悪い事をするのか、私たちが災いを倒すのか、のどちらかだ!」

「私たちが、ヤンキー、ギャル、この世の落ちこぼれになるか、既定路線通り、正義のヒーローで逃げ切るかだな。」

「よくそんな穿った見方ができるな。」

「生まれつきだ。気にするな。」

「近づかないよ。」

「現在11話投稿で約2万字。今が31話。最低1話が1500字以上に設定しているから、最悪5万字は超えているだろう。」

「それで何字か分からないから、急遽、投稿数を増やしているのか。」

「その通り。10万字でいいなら、もう大きなストーリーは無理だ。」

「それなら、徳川15将軍の額にお札を貼って、クライマックスにするか?」

「僕のご先祖様は、キョンシーか!?」

「違うのか?」

「違うわい!」

「それは知らなかった。」

「謝らんのかい!?」

「え? どうして私が謝る必要があるの?」

「とぼけるな!」

「エヘッ。」

「かわい子ぶるな!」

「まあまあ、ちいも家々も抑えて抑えて。そうしないと話が進まないよ。」

「仕方がないな。抑えてやろう。」

「おまえが原因だろうが! 大砲をぶち込むわよ!」

「ペリーも抑えて!? 怒りを鎮めるんだ!? 楓! おまえもペリーを抑えろ!」

「食事中です。」

「私も食べています。」

「まだ食ってたのか。」

 楓と実朝がおにぎりを食べて続けているのを見て、呆れて怒りが静まる家々、ちい、ペリー。

「何を騒いでるの? 席に着きなさい。」

「桜先生だ!?」

 子供たちが騒いでいると、桜先生が教室にやって来た。

「最近、最初にやることを打ち上げて、中身は脱線、でも終わる頃には、やることが終わっているというのが世の中のパターンね。」

「桜先生はどこで世の中の情報をゲットしてくるのだろう?」

「幽霊ネットワークよ。」

「私も幽霊なので、幽霊ネットワークは知ってますよ。今月のインタビューはは、甦った徳川15将軍! 代表の徳川家康さん! なんてね。」

「ご先祖様だ!? いつの間に瓦版の取材を!?」

「決めた! やっぱり徳川15将軍を一人残らず封印して、少年少女剣客隊は有終の美を飾るわ!」

「そうよ! 私たちが、こんなに苦労しているのに、調子に乗って楽しそうにしてるのが許せない!」

「ご先祖様! お命覚悟! 封印させてもらいます!」

「あ、ご先祖様に逆らった。」

「言ってやろう。あなたたちの末裔がご先祖様に不届きな発言をしましたよって。」

「チクらないで!? 今の発言は無しにして!?」

「いいぞ。いくら払う?」

「金を取るのか!?」

「当然だ。友達プライスにしておいてやるぜ。」

「ほう、良かった、友達で・・・ってなるか!?」

「なら米俵なら何俵出せる?」

「今度は米を取るのか!?」

「楓!? あなたはおにぎりを食べてたんでしょ?」

「もらえる米はもらっとかないとね。キラ~ン。」

「ちゃっかりしてるわね。」

「僕にとって、おまえたちは災いだ!」

「ありがとう。誉め言葉と受け取っておくよ。」

「誰も褒めてない!?」

「大変だ!」

 そこに一人の男が大声で叫びながらやって来る。

「どうしたの?」

「寺子屋の倉庫の備蓄米が、全部無くなっているだ!?」

「なんですって!? ギロ。」

「みんな、どうして私を見るの?」

「楓、おまえがずっと何話も何話もおにぎりを食べ続けていたお米は、どこのお米だ?」

「ギク!?」

「おまえ、寺子屋のお米に手を出したな! 許さんぞ!」

「違うもん!? 楓は、実朝くんからおにぎりをもらっただけだもの!?」

「なに!? ギロ。」

「いけない。そろそろお家に帰らなくっちゃ。お母様が心配しちゃう。さよなら!」

「待て! 逃げるな!」

「待てと言われて、待つ幽霊はいない!?」

「捕まえたら殺してやる!」

「大砲をぶち込む! ドカーン!」

「お腹空いた。」

「これでいいのだろうか?」

「これでいいのよ。これで楓の食べているお米は、寺子屋の倉庫から実朝くんがパクっていたって分かったんだから。これが最初に打ち上げ、中、脱線。最後に解決して、ちゃんと物語も進み、今日という素敵な一日が終わるのよ。」

「桜先生、寺子屋の米が盗まれたんですよ? 放置していていいんですか?」

「いいのよ。食べたのは、妹の楓。盗んだのが未来の旦那の実朝くん。実朝くんのお父さんは警察の隊長の源頼朝さん。頼朝さんの部下が私の旦那の蛍。警察に訴えることはできないの。カッカッカ!」

 勝ち誇る桜先生であった。

「コネ社会かよ!? オエーッ。」

 今日も窃盗事件はゼロの、平和な世の中だった。

 つづく。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る