第2話 : 秋葉温梨湯にて ( 2 )
彼の両親は小学校低学年で離婚。 その後、母親が別の男を家に連れ込んだ挙げ句に、
見かねた親戚に引き取られた彼だが、家族の財布の中から、お金を盗むなど
当のユウスケは、中学2年生の時に施設を脱走、その後、秋葉街へと流れ着き、地元の半グレ連中の仲間入りと成る。
腕っぷしこそ強くは無かったが、その
当初は、パーティー券などを配下の仲間に強制的に
彼に取っては、初めて陽の当たる場所での生活であり、この成功を誇りに思えると同時に、過去の経歴も消し去りたかった。
元々、自分のバンドのファンであった吉永リコとは、バラエティー番組の共演で知り合い、そのまま恋人同士の関係を結ぶ。
さぁ!!メジャーデビューと言う矢先に、リコからの妊娠告白。最近の芸能界では、結婚を視野に入れていない未成年に対する不適切な行為に対し、倫理的に厳しい責任を問う風潮である。
ここまで来て全てを失いかねない …。 当然、リコに
こんな事は、今まで一度も無い。何を言ってもキチンと従っていたリコが、初めて逆らったのだ。 一瞬、狂気とも取れる
ただ、タイミングが悪いだけだ。子供なんて、今後いつでもつくればいいじゃないか!? なぜだ!!今俺が掴んだ大事なチャンスを、リコと腹の子供が奪ってしまう!!
また俺を、日陰を渡る生活に戻すつもりなのか!!
なぜだ!! なぜだ!! 今まで上手く行っていたじゃないか!!ここで全てを失って、また始めからやり直し…。
イヤだ!!イヤだ!! 絶対に断る!!女と子供は、今後幾らでも代わりは見つかるが、このビッグチャンスは、二度と掴めやしない…。
リコ… お前も、結局、俺の母親と同じなんだなぁ…。 俺よりも大事なもんが出来ちまったようだ …。
俺から大事なチャンスを奪ってでも、守りたいもんがあんだなぁ…。
もはや、失う物はチャンスじゃ無い … 失うのは女と子供で充分だ!!
それも、徹底的に存在ごと失い、抹消しなければ、結局、世間が嗅ぎつける …。
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