第2話 : 真相 ( 4 )
「私、あなたの様に病的に逃げ足の早い男は、正直、好きには成れないの …
ユウスケさん、 あなた … 子供の頃から、自身に不都合が降り掛かる度、反射的に逃げ出す能力に
昨日、今日では到底、身に着けられない芸当だわ…。」
柱へとピン止めされた彼が手脚をバタつかせている。
「きっと今まで、この方法で逃げ切れたのでしょうね …。
けれど、常に物事が毎回、旨く運ぶと言う事は、最悪な結果への片道切符だと大抵、決まっている物よ …」
彼が、
「残念だけど…
私の
そうね … 立体ホログラムに、似ているかしらね」
今度は、腕立て伏せの要領で柱を押し、抜け出そうとする。
「その、あなたの逃げる事への執念には感服するけど…
結局、逃げ切れないと判断した時は、いつも通り謝る事で強引に相手の譲歩を引きだそうとするわね。
あなたに取って謝罪とは、その場を
そう… 。 一種、記号の様な物ね。詫びる心なんて一切無いわ。
その証拠に謝罪を受け入れない相手には、自身が謝った事自体が損だったと考え直し、逆に激しい
観念したのか、少女の指摘が図星なのか、彼は、もがく事を止めた。
「子供の時は、それでも、陰で大人達が守ってくれるから、つい自分の実力だと勘違いをしてしまうけれど、成人してしまえばそうはいか無く成るわね。
必ず(その日)はやって来るの。
必ずよ …。
その約束された日が、今日なの。 分かるかしら …?
ユウスケさん」
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