第1話 : 月夜の攻防 ( 1 )




「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


( ガッゴガーン!!)


 その強い衝撃と共に車椅子は宙に運ばれ!!


 そして舞った!!



 明らかに自分を標的にしたものでは無かった。 横たわる子に向かってクレーンフックが突然、ウナりを挙げ襲いかかったのである。


 その襲撃シュウゲキを察した時にはスデに遅く、横たわる彼女とクレーンフックとの間に自ら割り入るしか方法がなかったのだ。


 少女の躰は、ハンマー投げの鉄球の様に円周をいられている。


 と、同時に独り遠心力の極値とも戦う。


 それは、肺を強く圧迫され酸素を脳に送る事が出来ない。


 彼女は、苦しみの余り、口をパクパクする仕草を見せたが、それでもどんどん意識がトオザカッテ離って行く。


 車輪後方、タカの爪の様なクレーンフックを切断すれば良い。だがその際には車椅子もろとも、夜空に放り出されてしまうだろう。




「 イーィィィィ!! ハァァァァァーッ!! 」



 クレーン運転席よりの雄叫びを挙げる。



「それが若さ故の、勝負のなのさぁ!


 分かるかぁぁぃ?お嬢さあぁぁぁん!!」



 あの、時より子供が人形相手に強いる、な遊びが楽しくて、楽しくて仕方が無いのだとばかりに、彼は高揚の限りを味わった。


 レバーを入れ、回転速度を上げる。


「さっきも言って聞かせただろう?


 お嬢さん!


 勝利への 希望 は、


 創造するんだとヨゥ!!」


 遠心力は、もはや彼女の体重16倍の力を持ってして全身に襲いかかる。


なんだよ! 勝負


 なんだよ!!!!


 書いて字の如く、ヤイバの付いた、


 マコトの剣による命の奪い合いよ!!」


 少女の苦悶クモンの表情は、


 より彼を歓喜の()へと導く。



「テレビゲームじゃねぇんだ!! やり直しが


 効かねぇ 一回きりの殺し合いなんだよ!!


 てめぇの方から勝手に闘いを降りる


 ヤツに、勝利なんて絶てぃにツカめや


 しねぇんだよ!!


 甘い、甘い、甘い、甘い、甘い、甘いぃぃ!!


 のマカロンより、


 甘いんだようぅぅ!!」



 少女をカッと見つめると、彼はとうとう絶頂の極みへと到達する。

 

 

 

 

 床には欲情のハナが撒かれた …




「まさか、獅皇兵団ヴァンセントのくせに俺をだなんてケチな事考えてんじゃねぇだろうなぁ…!!」


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