一番星と呼ばれた馬

司書係

人物紹介など

350話時点での情報です。ちょこちょこお漏らしはあります。


御蔵まきな:

桜牧場の4代目(実質)にして、JRA関西所属の騎手。

祖父が死んだ夜、彼の遺作になる『白い馬』カガヤキを取り上げた。

感受性が強く、泣き虫だが、芯は強い。

マウスピースを口に含んでレース騎乗に臨むため、無駄に歯並びがきれいとか言われたりしている。

海外遠征に強いと評判で、ドバイGⅠを3勝と活躍。

落馬をしたことないのが密かに自慢だったが、とうとう落馬。それを方便にわがままを実現した。

祖父の教育方針で幼いころから叩き込まれた語学が非常に得意で、英仏語は完璧、独西語も理解する。いずれも競馬開催国の主要言語である。

実は理数系だけでなく、語学以外の勉強成績が悪く、補習常連だった。血統知識などを覚えることなら得意らしいが。

語学が得意とあって、弁が立つタイプ。

主な勝ち鞍にGⅠドバイワールドカップ、GⅠアルクォズスプリント2回(ドバイ)。


カガヤキ:

父ゴールドシップ、母シロイヒカリ。桜牧場生産。

彗星が幾筋か流れ、北極星がひときわ輝く夜に生まれた。

シロイヒカリがそうだったように、小柄だが、均整の取れた体つきをしており、貧相ではない。

ようやく2歳シーズンを迎え、明智厩舎に入厩した。

新馬、オープン戦と楽勝してアメリカ挑戦が決定する。

ゴールドシップ同様、頭が良く、自分が馬であることがもどかしいと思うこともある。父はそれすら楽しんでいたような。


御蔵輝道:

まきなの祖父。桜牧場の3代目場長。故人。

鵡川の名門桜牧場を率いて牡馬クラシック3勝。

晩年は芦毛馬作りに血道を上げ、経営を傾けるも、孫娘と見た夢を叶えようと生きた数年間だった。

海外競馬にも馬を送り出しており、少なくとも英仏でGⅠを3勝はしている。

主な勝ち鞍にGⅠチャンピオンステークス(英)など。


御蔵勝子:

まきなの祖母。桜牧場の女将さん。

名義だけなら桜牧場の場長。JRAなどの規程的な問題。

晩年の夫が倒れた後も、牧場を良く支え、まきなの代でも場長代理として立派に貢献。まきなのみならず牧場の人馬の祖母ともなっている。

昔取った杵柄が残っており、国内外の競馬サークルにちょっと顔が利く『マダム御蔵』。

孫娘は厳しく育てているが、たった一人残された夫の血筋となっては弱いところがある。落馬事故などがあり、最近、孫娘に対する監督方針を迷っている。


御蔵ひかり:

まきなの母。体が弱い。故人。

『馬の修羅道』に娘をやってしまったことに関して、強い葛藤を抱えたまま亡くなった。


御蔵照吉:

まきなの曽祖父。桜牧場の2代目場長。故人。

鵡川での地位を盤石のものにする道半ばで亡くなる。

主な勝ち鞍に重賞・天皇賞(春)。


齋藤哲三:

桜牧場従業員。牧場長補佐。

四十そこそこのハゲを手ぬぐいで隠している。

基本的にお留守番係。飛行機酔いするからとも。

夕張農専にはよく出張して馬の扱いや世話を教えている。意外と教え上手のようで、『哲ちゃん先生』と人気。

それはそれとして、生徒たちからはまきなや龍灯が求められる現実がある。


蔵王龍灯ざおうたつひ

桜牧場従業員。乗馬部門の一人責任者。

北海道地方の馬術競技で名の知れた選手であり、業務の一環で北海道中の大学に対し出前コーチとして馬を引っ張って向かって行く。

調教技術が高く、牧場メンバーから信頼されている。

まきな場長とは幼馴染で、馬術競技世界一というもう一つの夢と愛馬を預かった。

夢に燃える輝道から、まきなと同等の教育を幼いうちから受けてきたため、語学が堪能。

競技馬術の全国大会優勝歴がある。最近、オリンピック馬術競技女子で金メダルを獲った。


唐橋修:

唐橋厩舎管理調教師。注目度の高いまきなの師匠。

騎手現役時代は最低人気馬でも穴馬を馬券圏内まで持ってくることで知られ、人呼んで『手練の修』や『鬼追いの修』などと一目置かれていた。

主な勝ち鞍にGⅠマイルチャンピオンシップ(騎手)、GⅠ桜花賞(調教師)。


唐橋弥刀みと

唐橋調教師の妻の連れ子で、母亡き後は義父を支える。

調教助手をしており、彼女の仕上げは唐橋厩舎の武器。

オーナー・ブリーダー・ジョッキーと兼ねるまきなも彼女の調教には手も口も出す必要がないと認める程。

他にも料理が得意で、彼女の手料理は厩舎の内外で高い評価を得ている。

最近は妹分のまきなが頭角を現し、ジェラシーを感じているとかいないとか。


霧生かなめ:

栗東・高橋厩舎所属の騎手。まきなの同期。

実家の力で出世の糸口を掴んだと吹き込まれてまきなの活躍に憤慨し、騎手学校当時は仲が良かったが距離を取った。

競馬に懸ける思いは本物だが、乗鞍に恵まれず、1年で1勝しかできない状態だった。まきなとの和解から快進撃を始め、ついにGⅠ勝利を勝ち取る。

桜花賞の最有翼として、先輩たちから飲み会攻勢を受けたが、どうにか勝利。

地方のせめぎ合う競馬が好きで得意。水も合うため、地方競馬に参戦した期間の通算成績は優れている。

主な勝ち鞍にGⅠ桜花賞、GⅠ阪神ジュベナイルフィリーズ。


火浦光成:

関東所属の騎手。まきなの同期。

福島県出身で、色々と口は重いが、仲間思い。

2年目にして同期の中で一番にGⅠ獲りを果たし、世代の中心と目されていた。

剛腕追いと言われる力強い騎乗が持ち味。

騎乗スタイルからは意外だが馬への当たりが基本的に柔らかく、牝馬から好かれやすい。

酒を飲むようになって泣き上戸が発覚した。

主な勝ち鞍にGⅠ秋華賞。


福留雄二:

関東所属の騎手。まきなの同期。

女性騎手のまきなと勝ち鞍で競り合い、同期ではあまり目立たない存在と言われ自嘲するが、菊花賞を獲ってクラシックタイトル一番乗りを果たす。

風車ムチのように、ムチを自在に使って馬に進路を示し、追い、導く。

長距離馬には適鞍が少ない中、芝ダート問わず2500m以上で良績を残す。

酒を飲むようになって笑い上戸が発覚した。

主な勝ち鞍にGⅠ菊花賞。


服部隼人:

栗東・三枝厩舎所属の騎手。まきなの同期。

骨に異常を来す病気に侵され、半年に渡る入院生活と1年以上の療養及びリハビリ生活を強いられていた。

2年目の12月からトレセンに復帰、年明けから精力的に依頼をこなし、重賞を制覇するなど活躍し、ついにフィエルテで皐月賞制覇を達成。

我慢強く、人格的に優れていると評判。

主な勝ち鞍はGⅠ皐月賞。


中田すべる

日高の種牡馬シンジケートや牧場をまとめる総帥。

中央地方問わず関係馬を多く走らせている有力者。

御蔵照吉・輝道親子に良くしてもらった経験から、まきなに対して非常に親身に世話を焼こうとする。彼女の後ろ盾。

最近、国内外の若い騎手が頭角を現していることを楽しんで見ており、旧知のまきなを通して積極的に彼らと交流を図っている。その他にも若手にはかなり甘い。

主な勝ち鞍にGⅠ天皇賞(春)など。


池田源治:

白老町の紗来に本拠地を置く紗来ファームの主。

紗来ファームを核とする池田・紗来グループは一門で生産者として200億円以上の賞金を稼ぐ。

その自信は言動に強く現れ、常に「世界の紗来」と公言してはばからない。

年明けに一大計画を発動、サライカムイでドバイ制覇してアメリカに向かう。3歳フルムーンも芝の大一番としてフランスの凱旋門賞を目指す。

主な勝ち鞍はGⅠ東京優駿など八大競走が代表的。


佐藤慶太郎:

日本競馬史上最年少ダービージョッキー。

フランスに渡り、なかなかの活躍を見せて日本ダービー優勝騎手として面目を施す。

最近、理由なく美女美少女に囲まれており、「モテ期が来たのでは?」と思っている。だが、実際には1人にしか意識されていない。

フランスでもGⅠを勝つなど活躍しているが、ジャンヌがそれ以上の活躍をしているためにあまり目立っていない。本人的にはラッキー。

最近はとみに目立たず、何やら企む。

主な勝ち鞍にGⅠ東京優駿、GⅠディアヌ賞。


ジャンヌ・ルシェリット:

フランス・ポーの小室圭厩舎所属の未成年騎手。

最近の活躍ぶりから見習いの称号が外れたばかり。見習いの身ながらGⅠを制したほどの実力を持つ。

特に馬に関する洞察力、分析力はまきなを上回り、調教師代理の仕事や国内外から騎乗依頼を受けて冷静なレース運びで勝ちを積み上げている。

馬事に真摯な姿勢を大人たちに評価されてきたが、闘争心にだけは薄く、大切なところで挫折が続いている。

まきなに対する対抗心を芽生えさせ、彼女の到来をフランスでじっと待ち受けることにした。

主な勝ち鞍にGⅠ凱旋門賞、GⅠ香港ヴァーズ、GⅠジャパンカップなど。


武豊たける

「般若の貴公子」なる異名をとったトップジョッキー。

30年間、トップに君臨し続けるも、最近は疲れ、代わり映えしない現状に飽いている。そんな中、佐藤やまきなら下の突き上げにかなりやる気を突かれつつあり、2冠馬の手綱を握るなど活躍。

GⅠ100勝以上のレジェンドだが、そのためにおっさん扱いされて疑問が持たれない現状には非常に異を唱えている。

若い娘が大好物で、割と節操が無い。酒が入るとかなりの確率で姪や弟に謝罪行脚をさせるような不祥事を起こす。国内外を問わず、酒があれば危険人物になるため、イスラムの国・ドバイでも色々と危なかったらしい。

日本競馬において後進の騎手が育ったとして海外挑戦に旅立つ。

主な勝ち鞍にGⅠ東京優駿など八大競走、GⅠ凱旋門賞など海外競走。


武豊莉里子:

新進気鋭、若手ジョッキーたちの女王。

27歳にしてGⅠは20勝に手が届きそうなほど勝ってきた。

実力以上にかなりの自信家。どちらかというと差しを得意としており、そういう戦法を採れる馬に多く騎乗。

「食わせ者」と呼ばれるが、慢心しやすく一杯食わされることも多い。

自身の影響力などを考え、年少者を庇護することに精力的。まきなやジャンヌなど新人・若手たちにとっては越えるべき壁であり、良き理解者でもある。

デビュー以来、桜牧場の馬に良く乗っており、桜牧場の馬だけでGⅠを5つ勝っている。

小学生のころからまきなを知っている。生産者まきなと相性が良く、彼女の関係する馬に乗ると勝率が30%は上がると思っている。

日本ダービーで勝利し、伯父から後継者指名を受けた。秋は日本を代表し、フルムーンと共に凱旋門賞に殴り込む予定。

主な勝ち鞍にGⅠ東京優駿、GⅠ桜花賞、GⅠ天皇賞(秋)など。


ジョン・スイス:

スイス生まれで今はJRA所属の騎手。

新人若手の時代にドイツで活躍し、ドイツのトップで初来日した際に食べた柏餅の味に感動して毎年来日を果たすようなる。

まきな祖父、輝道とはその頃からの付き合いで、日本での身元引受人だった。

「元旦はお雑煮を食べたいから」と通年免許を取得。

日本でも武豊尊と並ぶ双璧、実力者として知られる。

免許受験時に鍛えた日本語は最早ネイティブレベル。

主な勝ち鞍にGⅠドイツダービー、GⅠ日本ダービーなど。


大和進:

莉里子の同期生でライバル的存在。

GⅠ勝ち鞍の多さこそ莉里子に譲るが、生涯通算での勝率・複勝率は莉里子を少し上回り、安定して好成績を残している。

不器用さからある馬主の不興を買い、2年ほど前からは地方回りを強いられる程に低迷したが、最近はGⅠを勝つなど復調をアピールしている。

牝馬2冠馬の主戦として大活躍し、完全復活を宣言した。

『ブーケ』の冠名を持つ馬によく騎乗している。

主な勝ち鞍にGⅠ桜花賞、GⅠ優駿牝馬他、GⅠ競走。


ユングフラウ・ドーベン:

ドイツでいくつかの牧場を率いる家のご令嬢。

自身も騎手で、ドイツを皮切りに英仏と3か国でダービー制覇の経験を持つなど、かなり卓越した騎乗技術と相馬眼、馬力も併せ持つ。

最近は日本の佐藤、フランスのジャンヌがお気に入りで、桜牧場から購買のシュワルツ(=クロカゼ)をどちらに任せるかで悩んでいる。

佐藤との出会いから日本競馬に興味を示し、馬の購買にレース騎乗にと積極的に参戦している。

JRAの推進派をインドやカナダフランスなど各国で女性騎手擁する陣営を仲介し、ジャパンカップを世界女性騎手決戦に仕立て上げた張本人でもある。

阪神JFで心行くまで戦い、敗戦。すっきりした顔でドイツへ帰って行った。

主な勝ち鞍にGⅠドイツダービー、GⅠダービーS、GⅠジョッケクルブ賞など。


シヴァンシカ・セス:

インド競馬が国際競走に送り出すホープ。

インドでは本当に希少な女性騎手として活動する。

母国においてもこれからの騎手だが、実力の一端を垣間見せることが多い。

語学センスがあったのか、聞いただけの日本語を正確に理解し、その後半年足らずでほぼマスターした。

日本のGⅠで活躍し、来年度の桜花賞への騎乗を打診され、ドバイでGI獲りを果たし、日本に再度遠征。

桜花賞は敗れたが、短期免許の期間を1日だけ残しており、秋華賞に挑む準備をしている。

主な勝ち鞍にGⅠマクトゥームチャレンジ・ラウンド3。


カルロス・フェルナンデス:

南米出身の騎手。

人種的にはメスティーソで、裕福な生まれだった。

しかし、家業が潰れて一家離散を味わい、草競馬でその日の糧を得ていた。そんなある日ブローカーの目に留まり、その日暮らしを脱出。口利きを受けてアルゼンチン競馬に参画し、アメリカ競馬にも進出を果たす。

ドバイの活躍からアメリカでも評価され、下手な英語も家庭教師を付けて上達してきた。

主な勝ち鞍にGⅠケンタッキーダービー、GⅠジョッキークラブ大賞。


サラ・ヘンダーソン:

アメリカ出身の女性騎手。

典型的な中流階級のヤンキー娘で、ニューヨークで生まれて乗馬から競馬の騎手を志し、調教師の門戸に押しかけた。

見習い時代は東海岸の草競馬で負け知らず、正規の騎手となってからも重賞での騎乗機会連勝記録を作った。

GⅠでは用なしの騎手ともされ、カナダGⅠのカナディアンインターナショナルステークスを勝つまでは見くびられていた。

本人は芝、落ち着いた流れのレースが合うと自身を見切っており、何かと日本に行きたがっている。

主な勝ち鞍にGⅠカナディアンインターナショナルステークス、GⅠドバイターフ。


ヴァルケ・ローラン:

武豊尊と同年代の古強者。イギリスの騎手。

国内外でGⅠを200勝以上している、世界の競馬史にその名を残そうとしている世界的名手。

ユングフラウの4か国目のダービー制覇をトルコで阻んだ他、ジャンヌや佐藤などの歴史的な勝利を阻んできた、正に「高くそびえる壁」。

桜牧場に出入りしていた過去があり、まきなの両親、彼女の出生に何らかの関係があるらしい。

最近、ヨーロッパに出てきた武豊尊とよく絡んでいる。莉里子に依頼されており、主に酒と女の面での抑えとなる。

主な勝ち鞍にGⅠダービーS、GⅠ凱旋門賞ほか、世界の主要競走。

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