第3話 回転寿司

 「すいませんねーうちのバカ息子が!!」頭を平手打ちされた。


 すると変な記憶が脳に流れ込んできた。


 沢山の魚。池。たくあんの入ったパンに、安土城。


 いろいろな言葉が頭の中で交差する。


 「この国は池しか無いな!!」 

 

 「なにいっているのよアランちゃん。早く帰るわよ」


 熟女に手を引っ張られ、外に連れ出された。



 やっとこの国の言語が分かった。熟女が俺の頭を平手打ちしたからだな。ありがとう、と言っておこう。


 「ありがとう」


 「なにいっているのよアランちゃん。早くお寿司屋さんにいくわよ。寿司くいね~寿司くいね~」歌を歌い出したのはビックリしたが、まぁ、良い歌だ。


 寿司とは、この国のソウルフードらしい。「日本人は寿司を食べて、素晴らしい大人へと成長するのよ。さぁ、貴方もレベルアップ!!」と、熟女が言っていた。


 俺は店に入ると元気な女がいた。


 「から寿司へようこそ!! 何名様ですか?」


 「ふちゃり」


 「かしこまりました。混みあっておりますので、カウンター席へどうぞ」 


 案内された席に座ると、目の前で、皿が回っていた。上にあるのが寿司か? 


 俺は手にとって一口食べてみる。うーん、独特な味だな。生魚は初めてだ。


 『がっちゃらポン!!』


 隣で誰かの声がした。


 「いゃぁん、外れちゃった……」熟女がいやに落ち込んでいる。


 「どうかしたのか?」


 「いやいや、アランちゃん。見て分からないの? がっちゃらポンが外れちゃったのよ、チキショー」


 

 「がっちゃらポン?」


 「ほら、目の前にあるガチャポンがあるでしょ。これ」指を指された方向に目を向けると、玉がたくさん詰まったなにか? が置かれていた。 


 「投入口に皿を三枚入れると、ゲームが始まるの。それで、当たったらガチャガチャが回せて、めちゃくちゃプリティーでキュートなオモチャが当たるのよ」


 意味は分からないが、とりあえず三枚食べて、投入してみる。


 『ガチャポンスタート!!』


 『俺はジャイアント。いまからプロレスで絶対に相手に勝つんだ!!』


 巨体な男がひ弱な男性に殴りにかかる。


 一瞬、光って文字が出てきた。


 『外れ~~』


 「あの男達はどこに消えたんだ」


 「なに言っているの? アランちゃん。さぁ、どんどん食べて!!」



 俺の人生初の寿司はこんな感じだった。

 


 



 


 

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