20.死後Ⅱ

羨むだけで終わってしまった人生を死んでから振り返る

いつものことながらと言いたいところだが そう言える口はもはやなく 実際は死んでしまった今更のことでしかない


結局自分は自分でしかなく誰かにはなりえなかった

それはそれで「らしさ」の賜物だったのかもしれないが そんなくだらぬものに縋るしかなかったのかと思うと虚しくなる


いつかいつかと思うばかりが関の山 その山の頂で羨望の眼を光らせるのが精精 それが生前の自分であった

「人生とは・・・」と考える意味などないのに考え続けた結果がこれ 無駄に人生を終えた結末がこれ 指差すまでもない「あれ」を望んでいた


死んで残ったのは魂のような何かだった その何かのままでここにいる それが死後の自分

初めてのことながら慣れてしまったようにも思える よもやここは生まれる前の場所ではないのかと 実際輪廻の始まりに立っていた

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