「詩集 永劫」(平成31年1月~4月)

舞原 帝

1.無意味

一人の人間としてどれだけ意味を持てるか それが鍵となろう


何も生まない人間にはなりたくない

この世界の担い手になるべく産まれたつもりは毛頭ないが 何も生まず 死なないためだけに生きる人間にはなりたくない


出来ることの中に「生むこと」がある以上 それに命を費やすべきだと考える

それを使命とすることが 傍から見れば全く馬鹿げているとしても 微塵も意に介す必要はないと剛毅を貫く


「つまりは死なないためだけに命を削ることが勿体無いと思うわけです」


何か生まなくては死んでも死に切れないと 命を糧に言葉を生む 言葉を原動力に世界を創り上げる

世界を孕んだ我が身は 堕胎の時を迎えても 意味に囚われたまま 身重の主に傅かせようとする世界の言うなり――


最期にどれだけ意味に囚われないでいられるか それこそが肝となろう

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