○月○日 ~始まりの記憶~
○月○日。
私がラノベ好きVtuber本山らのを知ったきっかけは、実のところ覚えていない。
恐らくこうだろうと言えるのは、Twitterでフォローしていたラノベ作家さんから
「ラノベ好き……こんなVtuberもいるんだな」
第一印象はこんな感じだった気がする。
Vtuberという存在自体は友人づてに聞いたことがあった。ただしその知識量は、四天王と呼ばれている五人のVtuberさんの顔と名前がかろうじて一致する程度のものだった。
彼女が私の
ゲームやアニメ、漫画に対する興味が人並みにあるかないかな私ではあるが、いわゆる”サブカル趣味”と呼ばれるものの中ではライトノベルは好きな方だった。
とは言ってもラノベ読みを名乗れるほど多く読んでいたわけではなく、大学生になって読み始めたライトノベルは月に多くて四冊ほど、就職してからは月に一、二冊程度を読むか読まないかという細々とした読書生活を送っていた。
いつフォローしたか。チャンネル登録した時の最終投稿動画は何だったか。
何も覚えていない。
そんな私の中にある本山らのに関する一番古い記憶は、クリエイター応援動画の内容だ。本当に自信はないが、恐らくこの動画が投稿された頃に彼女のことを知ったのだと記憶している。
「がんばれ♡ がんばれ♡」のフレーズは私でも知っていたもので、印象に残った。
しかし、このような動画を作って果たして世の作家さんたちに届くのだろうか? などという、今にして思えば杞憂を、本山らのを知ったばかりだった当時の私は感じていた。
次に古い記憶は、第一回バーチャルラノベ読書会である。
生配信を見た記憶がないから恐らくアーカイブ視聴をしていたのだが、作家さんに応援が届くのかなどと考えていただけに、ゲストにラノベ作家さんを呼んでの配信には衝撃を受けた。
その動画で対話形式で話す彼女を見て、少しずつ本山らのという人物を知っていった。ライトノベルについて語る彼女は本当に楽しそうで、自分もライトノベルを好きになりたいと感じるようになった。
そしてこの放送にゲストで来られていた作家さんが口にした「(作品タイトルで)エゴサしてます」という発言が、後に私がライトノベルを読み終えるたびに感想ツイートをつぶやくきっかけとなった。
恐らくこの頃から、本山らのが投稿する紹介動画が日々の楽しみになっていた。
ネタバレなしの作品紹介。
作風によって変える喋り方。
彼女自身が好きだと思ったシーンや見所を語る姿。
全てに魅入っていた。
最近のラノベはよく知らない、な状態だった私は彼女の動画を何度も見返しては気になった作品を購入するようになった。
話は変わるが、よく「他人の意見に引きずられるな」、「自分で面白いと思ったものは自信を持って面白いと言おう」という意見を耳にする。しかし私は誰かが面白いと言えばそれに釣られて面白いと思うし、誰かがつまらないと言えばつまらないと感じてしまう。そんな人間だ。
学生時代は、自分が読んで面白いと思った作品を周りからつまらないと言われ、その作品を読まなくなったことも何度かあった。
そんな私だから、彼女がライトノベルを「面白い」と言って紹介してくれるお陰で、読む作品すべてを面白く感じることができている。本当に本山らのには感謝している。
また、今では彼女の影響で、自分が読んで面白いと思った作品を知り合いに勧めるようにもなった。
「読んだ」と言われればありがとうと返し、「面白かった」と言って貰えればとても嬉しくなる。
こうして私は、本を読む楽しさと、人に本を勧める喜びを彼女から教えてもらった。
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