第67話 魔王 2
「エクス、なんか魔物が多くなってない?」
レイは戦闘に参加する様になり、そんなことを言った。
「確かに」
レイが言うように魔王城に近づいていくと段々と魔物の数が増えていくのがエクスも感じていた。魔物に対してエクスだけでは手数が足りず、撃ち漏らしをエシルとレイで倒していた。
エシルとレイの2人が戦闘に参加するようになったことで話す余裕がなくなり、言い争うことが減り戦闘に集中するようになった。そのおかげでエクスの戦闘での負担が減り、少し楽になっていた。
「流石に放置はまずいよね?」
レイはそう言い、倒すだけで放置いていた魔物を振り返り、そう言った。
今まではエクスが1人で魔物を倒し、エシルとレイが言い争いながらそれを処理したり、丸ごと保管したりしていた。処理というのは素材など価値のあるものを剥ぎ取り、それ以外は燃やすなり埋めたりしていた。
「そうですね。せめて燃やしておきましょうか」
「でも何も取らないってのはもったいないよな」
「そうかもしれないけど、この量を一つ一つ処理して行ったら、いつまで経っても魔王城に辿り着かないよ」
「やっぱりそうだよな。もったいないけどしょうがないか」
エクスはもったいないと思ったけど、魔物の量をあらためて見て無理だと感じ、処理することを諦めた。
エシルが魔法を使い、跡形もなく燃やし尽くした。それに対抗してレイも同じように燃やしていた。ただ、レイが変に対抗してエシルより威力のある炎魔法を使ったせいで危うく森に引火してしまうところであった。
「レイ!何やってるんだよ!」
「そうよ!周りは森なんだから気をつけなさいよ!」
「うぅ、でも、エシルが」
「私が何ですか。森が燃えれば、私たちも危険になるじゃない!」
「でもその方が魔物も倒せるし」
「そんな魔物を倒しきる前に私たちが死んでしまうでしょ!」
「うぅ、ごめんなさい」
そのためエクスとエシルの2人からレイは責められた。それからは反省してしばらくはエシルと張り合うことやめ、大人しくしていた。
しかし、翌日になれば、前日のことは忘れたのか、再びエシルと張り合うようになっていた。ただ周りのことには気を配れるようになって、危険になりそうになったら、それを回避するようになっていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます