第66話 魔王 1
魔王討伐もとい調査へはエクス、レイ、エシルの3人で来ていた。
他の人は危険だからという理由で誰も来なかった。
実際はアシルやナティ、ルアもランク的には問題ないが、誰も来ようとはしなかった。
その結果、依頼の来たレイが確定で戦力要員のエクス、なんだかんだで成長の著しいエシルに決まった。
「なんで私に魔王の依頼が来るのよ」
「お兄様がいれば、魔王なんてイチコロですから、心配なんていりませんよ?」
「私の方がランクが上なんだから、魔王の依頼が私に来るのは当然じゃない!」
「いえ、ランクの話などしてません。それにランクの低いお兄様にもレイは勝てないじゃないですか。それに私とも実力は…互角ですし」
「互角じゃないわよ!確かに出会った当初は私の方が弱かったけど、今じゃあ私の方が勝ち越してるじゃない!」
「今までの合計なら私の方が勝ち数は多いです!」
「ふっ、昔のことに縋るなんて。それにお互いに強くなっているんですから、今を比べる方が正しいんじゃないのかな?」
「—っ!?そ、そんなことはありません!」
「じゃあ、どんなことがあるのよ?」
「それは!…ぐっ」
レイとエシルの言い争いもエクスは見慣れた。ただ、口論ではいつもエシルが勝っていたが、今日は珍しくエシルが言い負かされていた。それが嬉しいのか、レイはすごく機嫌が良くなっていた。
とは言え、言い争っている内容は小さいことなので、胸を張れるようなことではないとエクスは思っていた。
今まではランクが低いという理由でエシルはエクスと依頼に行けなかったが、最近ではランクも追いついて来たため、余程高ランクの依頼でない限り、エクスと同じ依頼を受けていた。そもそも、依頼ランクのほとんどがBランク以下であり、Aランク以上の依頼なんてほぼないため、ほとんどエクス、レイ、エシルの3人で依頼に来ていた。そのためこんな会話は日常茶飯事であった。
そんなこんなでいつも通り、賑やかに3人は魔王城に向けて進んで行った。
2人が騒いでいる間、近づいてくる魔物はエクスが片手間に倒しまくっていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます