第40話 レイ襲来 6
そうして、レイが来なくなって数日後、控えめにドアをノックする音が聞こえた。
入り口付近にいたエクスがドアを開けるとそこには、レイが立っていた。エクスはレイと思っていなかったため戸惑い、その場に固まってしまった。
「えっと、入っても良いかしら?」
「え、ああ」
レイの言葉で我に返り、レイをギルドに招き入れた。ただ、普段のレイだったら、問答無用でドアを勝手に開けて入ってくるため、ドアをノックしたことにエクスは不審に思った。それにいつもは武器は装備など荷物はほとんど持ってきてなかったが、この日は何故か大きなリュックを背負っていた。それが更にエクスは不審に思った。
「ギルドマスターは居るかしら?」
「え、あ、はい、今、呼んできます」
いつになく真剣な声音で言うレイに対してエクスはどう接して良いか分からず、よそよそしい態度になってしまった。
普段はうるさく入ってくるため、アシルもすぐ来たことを知り、急いでくるのだが、今日は静かにレイがやってきたので、アシルはレイの訪問に気づかなかった。
「は?レイが来たって。エクス、お前遂にレイが恋しすぎて幻覚でも見るようになったか?」
エクスがアシルを呼びに行くと哀れな子でも見るような目でそんなことを言われてしまった。
「本当に来たんですって!」
「あー、はいはい、わかったよ。すぐに行く」
アシルは渋々エクスの言葉に従い行くことにした。しかし、エクスの言葉は信じていなかった。
「マジかよ。本当に居るじゃねぇか。というか、本物か?」
やっぱりアシルも信じられないのか、そんなこと失礼なことを言って不審に思っていたようだった。
「アシル、相手に失礼ですよ」
同じ部屋にいたナティも付いてきて、アシルの失礼な言葉を注意していた。
「それでレイさん、本日どういったご用件でしょうか?いつもとは目的が違うようですけど」
「はい、今日は頼みがあってきました」
レイは真剣な表情になり、姿勢を正した。
「このギルドに私を入れてください!」
「は、はぁぁぁ!?」
エクスはそんなレイの頼みに驚き、声を上げた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます