ギルド編
第6話 成人
エクスは15歳になり、成人した。
成人したことで一人で生きていかなければならない。
エクスは独り立ちするにあたって、一応いろいろ調べた結果、冒険者になることにした。これならば『経験値増加』を持っていてもできるし、エシルにも誇れる、そう思ったからだ。
まあ、そもそも『経験値増加』を持ったやつを雇ってくれるのが冒険者くらいしかなかったというのが本当のところだ。
それでも両親にもエシルにも猛反対された。
両親にはスキルも習得してないのに危険だと、エシルからは離れたくないと言われた。
でも僕はそれらの反対を押し切り、なんとか認めてもらえた。ただ、認める代わりにいろんな条件を出されてしまった。簡単に条件をまとめると、危険なことはしない、無理だと判断したらすぐ帰ってくる、近況報告をこまめにするなど、僕の身の心配をすることばかりだった。
それほど冒険者というのが危険ということだ。
しかし、僕にとっての一番の誤算は、エシルに嫌われてしまったことだ。嫌われてはいないだろうが、家を出ると言ってからエシルは僕と顔も合わせてくれない。おそらく拗ねているだけだろうが、僕からしてはそれがつらかった。
とはいえ、いつまでも気を落としてもいられないのでこれからの予定を振りかっておく。
まず、僕は王都に向かう。王都はいろんなことの中心となっているため、拠点にするのにはちょうどよかった。そこで冒険者たちが依頼を得るためのギルドで登録を行なわなければならない。これをしなければ、冒険者としては認めてもらえない。つまり、何も依頼を受けることもできないのだ。
そしてこれが僕にとっての一番の難問だ。僕は『経験値増加』を持っているため、ここで認めてもらえないかもしれないのだ。
僕はそのことを頭に入れ、少ないお金を持って家を出た。
そのときエシルも見送りに来てくれた。僕はそれだけで少し心に余裕が持てた。
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