酔っぱらい二人と魔物たちの遭遇


 北の氷海、南の孤島、東の王都、西の砂漠、その鳥は、世界中のどこにでもいた。




 丸い頭と大きな目、頭から首にかけては特徴的な黒色の帯。さほど大きくない体に、バランスを欠くように長く細い足。




 集合性が強く、数千にも及ぶ群れを成すことから、彼らは千の鳥。チドリと呼ばれている。




 特に水辺に多く生息する彼らは、その長い足を左右に踏み違えながらよく歩き、餌となる虫を探す。


 酔っ払いのふら付いた足取りの事を「千鳥足」と呼ぶのは、その彼らの習性になぞらえてのことある。






「ここは……?」






「さあ、どこだろうね」






 酷いめまいに襲われ、世界が暗転した先に俺を待ち受けていたのは、山積みの木箱と木箱に腰を掛けた少女。遊び人だけだった。




 周囲を見渡す、天井に据え付けられた照明のおかげで視界は易々と通る。木箱の数からみて相当な広さの倉庫なのであろう。




 ここには、言いようのない違和感があるが、鈍く重い今の頭では明確な答えは出てきそうにない。


すっきりしない気持ち悪さが残るものの、今、目を向けるべきは木箱に据わって笑みを浮かべている彼女だ。




 テレポートを利用した待ち伏せも警戒したが、周囲には人の気配がない。遊び人の復讐という線は、杞憂だったのかもしれない。




 めまいは、まだ続いていた。なんとなく頭をさすろうとしたところで、俺は自身が未だビールジョッキを握りしめていることに気が付いた。




 持ってきちゃってたのか。後で返しに行かなくちゃ。






「何をしたんだ……? 普通のテレポートとは、少し感覚が違ったが」






「千鳥足テレポート。簡単に言うと、ランダム性の高いテレポートだよ」






「つまり……」






「そう、酔っ払いと同じでさ。何処に行きつくかは、私にもわからないのさ」






「つまり、なにか。魔王の元に辿り着けるやもしれぬってのは運任せってことなのか!?」






 俺に怒りがフツフツと湧き上がっていく。




 期待を煽られ、裏切られた。その事実が、俺から理性を奪っていく。


 確かに、『やもしれぬ』と言ったけども! それにしたって、酷い落差じゃないか! こんなの詐欺だ!




 俺は、怒りに任せ近くの木箱を蹴飛ばした。木箱は転がり、大きな音が、倉庫中に広がっていく。






「まあ、落ち着きなよ勇者。まだ外れと決まったわけじゃないさ。ほら、ちょうどいいから木箱の中身を改めてみなよ」






「くそっ、酔っ払いの戯言に付き合うんじゃなかった……ん、これは……」






 悪態をつきながら、俺は木箱の中を足でさらう。中から現れたのは、大量のおが屑と液体の詰められた瓶。おが屑は、梱包用だろう。




 問題は、瓶の中身だ。遊び人が手を伸ばしてきたので、俺は瓶を彼女に渡す。


 彼女は、何処に隠し持っていたのかナイフを取り出し栓を抜き匂いを嗅いだ。






「ビールだ」






「ここは、密輸業者の倉庫か」










「誰が、居るのが!?」






 酷く低くしわがれた声が、倉庫に響く。言葉を発するに適していない声帯、そしてその音圧、声の主が人間では無いことは明らかだった。




 迂闊だった。違和感の正体はこれだ、何故倉庫の照明はつけられていた。それは、誰かが作業を行っているから。




 人の気配がしなかったのは、奴らが人ではないから。窓もなく閉ざされた倉庫で、木箱に詰められた密造酒。




 魔王の一味が、ラムランナーとして活動しているという噂。


 間違いない、ここは魔王一味の拠点。もしくはそれに類する何かだ。






「大当たりじゃないか……」






 俺は、剣を抜く。


 こんなことなら、軽装で来るべきでは無かったな。せめて皮の鎧だけでもあれば。


 鎧の代わりに防御魔法を自身にかける。だが、魔法が巧く発動しない。酔いのせいか、呪文が巧く紡げなかった。






「なんだあ! 人間の匂いだ! 」




「おい! 全員出でごい! 人間が紛れごんでるぞ! 」






 倉庫の奥から、魔物達の気配がゾロゾロと出てくる。思っていたより、魔物の数は多いようだ。


それに統制がとれている。奴らが、俺と遊び人を包囲する形で布陣をとろうとしているのが木箱越しに感じられる。




 久方ぶりの魔物との戦闘。しかも奴らの拠点で。こちらは、軽装な上に酒が入っている。


遊び人をチラリと見る。彼女に至っては、ワンピースにナイフ一本、しかも職業は遊び人。誰の目から見ても、劣勢だな。






「お前は、隠れていろ。俺が遊撃に出る」






「いらぬ心配だね、元騎士だって言ったの忘れた? それと、殺しちゃだめだからね」






「魔物をか? 何故だ」






「魔王の情報が欲しいんでしょ? それに――」






「それに?」






「密輸業者が全滅しちゃったら、誰が酒を運ぶのよ!」








 木箱の陰から、魔物が数体躍り出る。人の倍はある身の丈に、牛の頭。ミノタウロスだ。


 ミノタウロスは、その手に握られた斧を振り下ろす。


 斧が起こす風を頬に感じるほどの距離で、かろうじて躱す。




 ミノタウロスは勢いあまって、地面に斧を突き立てている。


 その一瞬の隙を逃さず、奴の角を斬り落とす。俺の腕に掛かれば、鋼に劣らぬ強度をもつミノタウロスの角などチーズと同じだ。




 ミノタウロスの表情は、恐怖に歪む。臆したな、こいつがこの戦闘中に立ち直ることはないと判断し。剣の鞘で、顎を打つ。


 ミノタウロスは仰向けに倒れた。




 どうだ、これが勇者の実力だ。と言わんばかりに、遊び人に視線を送る。


 彼女は、敵の懐にもぐりこみナイフを奮っている。まるで踊り子のように、くるくると回り、ミノタウロスを翻弄している。


 彼女が回るたびに、短いスカートがひらひらと浮き上がる。






「おい、よそ見するな! 後ろ!」






 俺の視線に気づいたのか、彼女が声を張る。俺は、慌てて振り返る。ミノタウロスの横薙ぎ。


足元がふら付く。十分に避けられる速さだ、ただし俺が酒に酔っていなければの話だった。


 狙いは首。咄嗟に左腕で庇う。俺の首は、左手ごと寸断――とはいかなかった。激しい金属音とともに、ミノタウロスの斧は左手の薄皮一枚で止まっている。






「鎧でも仕込んでやがっだが!?」






 ミノタウロスが叫ぶ。残念ながらそうではない。奴の斧を止めたのは間違いなく、俺自身の左腕。


これこそ、俺が勇者として魔王に立ち向かうことができた理由。女神よりの祝福。耐性の力。




 俺の左腕は、魔王討伐の旅で幾度となく斬り落とされた。幾度の失敗に学んだ俺の肉体は、女神より与えられし力をもってして学んだ。




 そうして出来上がったのが、何者も。例え魔王であろうと、斬り落とすことができない絶対の斬撃耐性がついた左腕なのだ。




 ミノタウロスは力を更に籠める。俺の左腕がじりじりと押されていく。


 残念なことに、俺は首を落とされた経験がない。つまり首にまで斬撃耐性があるわけではないのだ。




 右手の剣で……いや、踏ん張りがきかないうえに片腕だけで剣を振ったところで、ミノタウロスの厚い皮は破れないだろう。




 剣を手離し、その手で左腕を支える。力比べと行こうじゃないかミノタウロスさんよお!






「ミノタウロスと力比べなんて、ばっかじゃないの!」






 遊び人の投げたナイフが、俺と対峙していたミノタウロスの右目に刺さる。ミノタウロスは斧を落とし、叫び声をあげる。以外に容赦のない女だ。




 しかし、一本しかないナイフを投げるなんて――と思うのもつかの間、何処から取り出したのか、遊び人は既に両手にナイフを構えている。




 何処にしまってたんだ、そのナイフ。まさか、スカートの中か?






「敵は、そいつ一匹じゃないんだからね。ほら、手伝ってよ!」






 魔物達は刻一刻と数を増し、その数は10数体にも及んでいた。背中合わせの俺たちを中心にして、完全に囲まれてしまった。




 普段の俺ならば、まず間違いなく隙を見て逃げ出す状況だ。もしくは、耐性の力をフルに発揮してのごり押し。




 魔物から尻尾を巻いて逃げる勇者。もしくは、ズタボロになった衣服で、魔物達の流した血の池の中に佇む勇者。




 どちらの結果だろうと、傍目から見たらとても美しいとは言えない状況に陥っていたことだろう。




 だが今日の俺は、そうはならなかった。


 まず、遊び人にその気がない以上、逃走は論外。かといって、耐性を使ってのごり押しという状況にはなっていない。四方八方からの魔物による攻撃は、背中を任せる遊び人によって的確にいなされていく。




 正直に言って、彼女の目は異常だ。正面の敵にだけ集中している俺とは違い、敵全体の動きを把握している。






「次、左奥の奴が、飛び掛かって来るよ!右の奴は、後でいい!」






 俺に、背を向けているはずの彼女が的確に敵の動きを教えてくれるのだ。まるで、背中に目が付いているかのように。




 そして、彼女の指示に従うと、面白い様に敵を捌くことができる。これが孤独な勇者と、組織で戦う騎士団の違いなのか。




 もしかすると、彼女は騎士団においてもそれなりの地位にあるものだったのかもしれない。






「そっち、数は減ったでしょ! こっちと交代して! ナイフじゃ倒しきれない!」






 彼女の声に合わせて、正面の敵を無視して振り返る。その隙を、敵が逃すはずもないが耐性の力で致命傷にはならないだろう。




 だが、俺の隙を埋めるかのように遊び人がナイフを投擲する。俺は、背後からの攻撃を気にすることなく正面の敵を切り伏せる。




 膝から崩れ落ちた魔物は、まだ息がある。普段の俺なら、確実にトドメを刺すがそうはしない。


 「殺すな」という彼女の言葉もある。だが何より、今日の俺には魔物を殺さないでいる余裕があるのだ。




 切り付けられ、殴られ、焼かれ。どんな痛みにも耐えながら、戦い抜いてきた今までとは違い。今日の俺は、酒に酔って本来の力が出せていないにもかかわらず普段の何倍も素早く的確に魔物を倒しきれている。




 間違いなく、仲間、遊び人の助けによるものだ。初めての仲間との共闘に、俺の心臓は高鳴り血が上り興奮冷めやらぬ状態だ。






「すごい、すごいぞ遊び人! まるで、腕が4本、足も4本、目も4つ! 体が二つあるようだ!」






「馬鹿じゃないの! 実際に二つあるのよ!」






 戦いの決着まで、それほど時間はかからなかった。


 周囲には動けなくなった魔物達がウンウンと唸っている。


 一体だけ、明らかに体の大きい奴に詰め寄る。右目にナイフが刺さっている。俺と力比べをした奴だ。


 他の魔物と違い、腰巻が少し豪華だ。間違いない、こいつがここの親玉だろう。






「魔王は何処にいる?」






「知らん……」






 勢いよく右目のナイフを抜いてやる。「ぐおおおおおおおおおおお」と、ミノタウロスの叫び声が、倉庫に轟いた。






「おい、何をやってるんだ! そんなことする必要はないだろ!」






 遊び人が、俺を押しのける。尋問の邪魔をするなと睨みつけるが、遊び人はひるまない。






「お前には、任せてられない。向こうへ行ってろ、私が聞き出す!」






「魔物に慈悲をかけるのか?」






「冷静さを失ってるぞ勇者。酒だけじゃなく、血にも酔ってしまったのか?聞き出す方法は、拷問に限らない。いいから向こうに行ってろ」






 遊び人の目には、怒りが宿っている。




 騎士団は、戦う技術以上に心の在り方を重んじる。彼女も、退役したからと言ってその道徳心を捨てることは無かったのだろう。手段を選ばない俺とは大違いだ。




 だが、彼女を説得するのは非常に難しそうだった。仮に拷問を続けたとしても、魔物が洗いざらい吐くとも限らない。今回は、彼女の意見を尊重し黙って引き下がることとしよう。




 俺は、彼女に「任せる」とだけ伝え一人と一体から距離をとる。


 そして、倒れている魔物達が全て視界に収まるよう積み上げられた木箱の上に腰を下ろす。


 これなら、仮に魔物達が遊び人に飛び掛かろうとすぐに対処できるだろう。


 遊び人は、ミノタウロスの耳元になにやら語り掛けているが俺の位置からは、何を話しているかは聞こえない。




 遊び人の語り掛けに、魔物は意外にも素直に応じている。


 何を答えているのかは、わからないが魔物の表情をみるに嘘を言っているようには見えない。


 「聞き出す方法は、拷問に限らない」彼女の言は正しかったようだ。




 二人はしばらくの間、話し込んでいた。




 話が終わると彼女は立ち上がり、なにやら呪文を唱えた。しばらくすると、魔物達がうめき声を寝息へと変えていく。




 睡眠魔法をかけたのであろう。彼女も多少は酔っているだろうに、器用なものだ。


 更に、彼女は魔物達の傷の手当てを始めた。全く、騎士団の博愛精神にはあきれてものも言えない。


 だが、俺はその様子を黙って見つめるにとどめおく。少なからずではあるが、彼女の機嫌を悪くしたくないという気持ちもあった。




 しばらくすると、彼女は俺のところへ戻ってきた。






「終わったよ。奴らは、魔王の居所までは知らなかった」






「収穫は無しか……」






「いや、そうでもないさ。組織の連絡員の情報を引き出せた。次は、そいつから辿っていけばいい」






「……なあ、何故ここまで手伝ってくれる? それに『千鳥足テレポート』とは何なんだ?いくら、ランダム性のテレポートだからと言っても、ここまで的確に俺の求めていた場所へたどり着くなんて都合が良すぎる」






「まあ、それはおいおい説明するよ」






 俺の矢継ぎ早の質問に、彼女は素知らぬふりで続ける。






「それより、私と手を組まないかい? 実は、私も魔王を追っているんだ」






 ここにテレポートで飛んできた時点で、何となく予想はできていた。


 彼女は、俺が魔王を追っている勇者であることを知ったうえで接触してきた。そのうえ、都合の良すぎるランダムテレポート。


 ならば、彼女もまた俺と目的を同じにしていることは明らかだろう。






「それにさ、アンタはちょっと危なっかしいよ。頼りになる仲間が一人ぐらい居たほうがいいと思う」






「いいだろう」






 俺は、即答した。


 彼女が使う謎の魔法「千鳥足テレポート」、そしてその高い戦闘力、更には魔物から情報を引き出す巧みさ。




 彼女の能力は、魔王を追うのに必要な全てを兼ねそろえていた。






「よし、これからよろしくね勇者」






 彼女が、右手を伸ばしてきた。俺は、その手を握る。






「あ……ああ、よろしく頼む」






 俺の手は、微かに震えていた。


 戦闘の興奮が冷めたせいか、隠れていた俺の羞恥心がひょっこり顔を出しはじめていた。




 よく考えると、今日は初めてだらけだ。


 初めて逆ナンされ。初めて酒を飲み。初めての共闘。初めての女の手を握った。


 まあ、逆ナンは俺の勘違いかもしれんが……。






「というか、酒場に金払ってないよな。俺達、戻ったら食い逃げ犯になってるんじゃないか」






「大丈夫、あそこには顔がきくんだ。つけててくれてるよ」






 木箱の上にビールジョッキが置かれている。さっきまでいた店で使われていたものだ。どうやらテレポートで飛んで来た時に一緒に持ってきてしまっていたらしい。






「お、良いもの持ってるじゃん。それ貸して」






 彼女は、そう言って俺からビールジョッキを受け取ると、近くの木箱からビール瓶を取り出しそれに注ぎだした。




 そうして、満杯になったジョッキを俺に差し出してきた。その顔は少しにやついている。何か企んでいる、そういう表情だ。






「ほら、喉が渇いたろ。これでも飲みなよ」






 彼女の言う通り、激しい戦闘で俺の喉はカラッカラに渇いていた。


 俺は、ビールジョッキを受け取り喉に流し込んだ。




 うまい。




 店で飲んだそれと、同じものとは到底思えない清涼感だ。


 胃が拒否反応を起こすことも無く。まるで干からびた砂漠のように、流れ落ちていくビールを受け入れていく。


 気が付くとと、ジョッキの中身は既に空になってしまっていた。


 俺が驚いている様子に、彼女はしてやったりの笑みを浮かべている。






「ほら、ジョッキを渡しな」






「そうだな、もう一杯もらおうかな」






「そうじゃないわよ。まったくもう、ビールの守護聖人の話を忘れちゃったの?」






「……人々は、奇跡のマグカップで喉を潤した」






「そういうこと。一人で楽しむのは無しよ」






 ジョッキを手渡しビールを注いでやる。


 彼女は喉を鳴らし、一気に飲み干してしまう。






「な? 喉が渇いたときはビールが一番さ」






 俺と彼女は、一つのジョッキにビールを注ぎ代わる代わるに飲み干した。


 魔物達の寝息による合唱が音量を増していく。ひょっとすると、酒場の喧騒よりも騒がしいかもしれない。


 だが不思議と気にはならない。ましてや良いBGMじゃないか。そう思えるほどだ。




 俺の意識は薄らぎ、世界がぐるぐると回っていく。もう何度、ジョッキを空にしただろうか。数も数えられないほどに俺は酔っているようだ。目の前の彼女も、少しではあるが呂律が回らなくなってきている。




 さてここで問題です、俺は今日何杯のビールを飲んだのでしょうか。正解は乾杯です。




 あらあら、ひどい有様だねえ勇者様。今日はもう、お開きにしようか。




 ん?いま喋ったのは誰だ、俺か?いや、彼女か?






 ぱんぱん






 突然鳴った、手を二回叩く音。それと同時に、正常性を失いつつあった俺の意識は完全に途切れた。






 気づくと俺は、宿屋のベットに一人寝転がっていた。剣やクロークは床に投げ出され、俺は下着一枚となっている。




 枕元には、空になったビールジョッキが転がっている。




 どうやって俺は帰ってきたんだ。自問自答するも、記憶があやふやで思い出せない。




 窓を開けると、お日様が傾きかけ真っ赤に染まっている。なんていうことだ、もう夕方じゃないか。二日酔いで頭痛は酷いが、久しぶりの長時間睡眠のおかげか、いつになく頭がすっきりしている気がする。いったい、俺はどれくらい寝ていたのだろうか。




 大きく伸びをし、外の空気を目いっぱい吸い込む。




 さて、やることはいっぱいあるぞ。新しい仲間の行方も探さなくちゃいけないし、昨晩の店に金を払いに行かないといけない。ビールジョッキも返さないとな。




 彼女のことを100%信用したわけではない。千鳥足テレポートなる魔法の秘密。


 それに、彼女が騎士団を退役しながらも魔王を追っている理由。謎は多いし、それに伴う不安も多い。




 ただ確実に言えることが、一つだけある。






 日課のひとつに、一杯のビールを付け加えるのもいいかもしれない。


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