第8話 乾いた場所の光




上の者というのはつくづく下が見えないとはよく言ったものだ。






実際体験するまで、その仕事がどれだけ苦労するか、わかっているようで、全くわかっていなかった。




機械の様な作業を要求して、楽しみも工夫もない。



そんな乾いた職場だ。






「大丈夫か新入り~」

作業員の先輩が笑ってこちらに声を掛ける。




はは




「あのきつくないんですか?」




「きついさ、体はガタガタで疲労もする」




「だが、お金がもらえる」





俺らみたいなの無条件で雇ってくれるの、ここぐらいだもんな







俺たちは社長に感謝してるんだぜ?




うおおお明日が終われば休みだ




あと一日頑張るぜ!




おー!!!





職場環境は最悪だが、今日も彼らが働いている。

その事実がこの会社を動かしていると今更ながら思い知らされた。





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