第30話 運命の黄色い糸 十五

 「あ、克也!今日は私の方が早く着いたね!」

「あ、ああ…。

 ってか由利加、早くね?」

「うん!今日は克也との美術館デート、すっごく楽しみだったから、いつもより早めに来ちゃった!」

と、今日の由利加は女の子らしく言う。俺はそんな由利加を見て、

『こいつ、女の子らしい所もあるんだな。』

とふと思った。

 「あ、克也、さっきわたしのこと『かわいい。女の子らしい。』って思ったでしょ!?」

「え、いや別に…。」

「ごまかしても無駄だよ!」

…この鋭さは、永遠に相変わらずなのだろう。

「じゃあ、行こっか克也!」

「そうだな。」

そして、俺たちは美術館に入ることになった。

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