第27話 運命の黄色い糸 十二
「えっ、お前ら、別れたの!?」
俺は圭太からの電話での報告に、そんな「作り物」のリアクションで答えた。(もちろん、実際は「青い糸」の関係で事前にこっちはそのことを知っていたのであるが。)
「ああ、そうなんだ克也。」
「そっか…。悪りぃけど、別れた理由とか訊いていいか?」
ここから先は、「青い糸」では分からないことだ。
「ああ。いいよ。
何か友香、
『ごめんなさい、他に好きな人ができた。』
とか、言ってたな…。
それで俺は、辛かったけど、
『分かった。じゃあ俺たち別れよう。』
って、言っちゃたよ…。」
『友香さんって、めちゃくちゃ優しそうに見えたけど、そういうこと言うんだな…。』
その時、口には出さなかったが、俺は内心でそう思った。
「そっか。じゃあ切り替えて次行こ、次!
『運命の相手』探すんだろ?」
「だよな、やっぱ持つべきものは友達だな!
いつもありがとな、克也!」
その時は電話であったため、圭太の顔は見えなかったが、圭太はその時泣いていた、俺は圭太の声の調子から、そんな風に感じた。
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