第8話 運命の青い糸 八

 「俺、元村圭太!よろしくね!」

「お、おう。俺は佐藤克也。」

そうやって自己紹介をした時の圭太の印象は、「爽やかな好青年」というものであった。背は俺よりも高く、少しだけ茶色に染めた髪が、おしゃれな印象を醸し出している。そして俺たちは、出会ったその日から仲良くなった。

 「俺、今までずっとバスケやってたんだけど、何か大学生にもなったし、新しいことに挑戦してみたくなって…、このサークルに入ったんだよね!」

なるほど、その身長ならレギュラー確実だな、と俺は思い、

「俺も似たようなとこかな。ま、俺は野球と陸上やってたんだけどね。」

と返すと、

「野球か…!え、ってことは、お前坊主の時期あったの?」

「いや俺はそれが嫌で、高校時代は陸上やってたんだよ。」

「だよな~何か、お前坊主似合わなさそうだもんな!」

そんなやりとりが続き、俺たちは笑った。

『こいつ、本当にいいヤツだな!』

俺はその時、心の底からそう思った。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る