第3話 運命の青い糸 三

 『えっ…!?由佳ちゃんが転校!?』

その日、担任の先生からその言葉を聞いた俺は、ショックを顔から隠しきれなかった。

 そしてホームルームが終わった後、俺はものすごいスピードで由佳ちゃんの席に行く。

 「由佳ちゃん…、本当に転校するの?」

「うん。克也くん、今まで黙っててごめんね。何か、言い出しにくくって…。」

「いいよ。

 でも、俺たち転校しても、ずっと一緒だよね?」

「克也くん、これも悪いんだけど…。

 私たち、今日で別れない?」

「えっ!?どうして…?」

「それは…。

 私、これから新生活が始まるわけじゃん?だから今までのことも、ちょっとリセットしたくなっちゃって…。」

「…それって、俺が邪魔だ、ってこと?」

「そうは言ってないよ。

 でも、克也くんかっこいいし、モテそうだし、すぐに新しい出会いが見つかるんじゃない?」

「そんな…。」

「ごめん、私この後準備があるから…。

 元気でね、克也くん!」

そう言い残して彼女は、俺の元を去って行った。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る