無名作家、滑り落ちる~夢から醒める時がとうとう来た~

 はい、タイトル通りです。

 ……とうとうやって参りました。


 まさかの「初ランキング入り」と、その後にやって来た「初ランキング落ち」の瞬間が。


 これから書くことは、私の今までの正直な気持ちです。虚飾することなく、カッコつけることなく、ありのままを綴ります。

 投稿を続けようとする書き手さんの、参考になれば幸いです。


 まず、初めに。もう一度確認しておきますが。

 私は、無名の新人作家です。もっと自虐的に言えば、いわゆる「底辺作家」で間違いありません。

 このエッセイ、そして『悪役花魁(以下略)』を始めるまでは、なろうは勿論、カクヨムでもランキングなど夢のまた夢でした。いつもランキングに載る人気作家さん達を仰ぎ見、自分の作品と比べては溜息ばかりの毎日でした。


「今回だってきっと前回と同じだ」

 そんなことを漠然と思いながら投稿を始めたのです。

 

 ――ただ、そんな私の予想は見事に外れました。

 

 なろうでは2ケタ台ではあるもののエッセイ、小説共に日間ランク入り。

 それどころかカクヨムでは、どちらの作品も週間ランキング1位をいただくという奇跡が起きたのです。


 この結果に、一番うろたえたのは私です。まるで夢を見ているような錯覚に陥ったのを覚えています。

 嬉しいというよりは「これからどうしよう」という、訳の解らない気持ちが強かったです。何故、私のような者の作品がランク入りしたのか。そんな疑問と闘いながら、毎日投稿をするのは今まで以上に大変でした。


 そして上を見上げることしか知らなかった底辺作家の私は、ここで初めて気がついたのです。

「ランキングに載るプレッシャー」というものに。


「これが、人気作家達が感じていた気持ちなのか」

 そう思うと、彼らの凄さが身に染みて解ったような気がします。ランキングって不思議ですね。自分の一挙一投足すべてが見られている様な気がするんです。


 そんな葛藤を抱きながらも毎日更新を続けていると、運が良いことに作品は1日、2日、3日とランキング上位に載り続けました。

 

 「もしかしたらこのままずっといけるのではないか」


 なんて考えたこともありました。

 ……しかし。夢には必ず、醒める時が来るのです。


 本日5月7日。

 今までランキングトップに躍り出ていた私の作品は、とうとう姿を消しました。その時の気持ちは、もう凹むとかそういうレベルのものではありませんでした。


 ずーんと重いというか、どっしりと心にのしかかる様な落胆でした。「作品の何がいけなかったんだろうう……」と、自問自答を繰り返すも答えなど見つからず、一気に自信が無くなって、書く気力を奪われる感覚に陥りました。


 投稿を開始して初めての、経験したことがない感情だったのです。


 でも多分、ここまで凹んだのは、この状況に対して耐性が無かったからなのだと思います。事前に誰かから「こういう気持ちになるよ」という情報があれば、気持ちを分かち合う人がいれば、もう少し心は軽かったでしょう。


 だから、私は恥を忍んでここに正直な気持ちを綴りました。最初に申し上げたように、これからも投稿を続ける書き手さんの参考になれば幸いです。

 仮に皆さんが私のような状況に陥っても、心配することはありません。ここに、同士がいますからね。

 

 そしてもう一つ言いたいことがあります。


「自分なんてランキングに載らない」と信じ込んでしまっている書き手さんがいたとしたら、それは大きな間違いだということです。


 私だって、ずっとそう思っていたんですよ?

 でもこんな私でも奇跡は起きたんです。


 だから、あなたは大丈夫です。私の様な奇跡でなく、きっと実力でランク入り出来ます。どうか諦めないでいただきたい、そう思います。


 ではまたお会いしましょう。

 

 

 




 


 

 

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