サヴェイモンド ラリゲンロ
ハシノアサヒ
第1話 ラグナロク1050日前
〜ヤマト帝国〜
この国には厳しい身分制度というものがある。
まずは一般階級だ。国民の7割はここにいる。
そしてその上、上級国民だ。階級こそ一般階級よりは上であるが生活には大差がない。
その上階級のの超級国民とは天と地の差である。
そして超級国民。国民の1%にも満たない皇帝直属の家系である。
この物語はヤマト帝国で巻き起こる、世界の存続をかけた戦いの為立ち上がった上級国民 片岡の物語である。
あれは春先の事だった。
高校に入学してすぐで、俺は上級国民という事もあってクラスにあまり馴染めずにいた。
俺が教室で席に座っていると俺の前に女がたった。
彼女はいきなり自己紹介をしだした。
「初めまして、私の名前は長瀬千鶴。あなたは名前はなんていうの?」
目の前に立つ謎の少女に俺は少し困惑した。
「片岡だがなにか?」
続けて彼女は聞いて来た
「君が片岡くんか〜じゃぁ片岡君、君に頼みたいことがあります」
一般国民であろう長瀬と名乗る少女に馴れ馴れしく話しかけられたので片岡は自分が上級国民である事を彼女にアピールしようと思った。
「俺は上級国民、貴様ら一般階級の人間の頼みを聞く身分では無い」
「じゃぁもう一度聞くよ。片岡君、私の頼み聞いてくれない?」
彼女の態度は変わらない…
「まぁいいか…なんだ?頼みって?」
「実はね…君の事を探してる人がいてね、その人に君を連れてくるように言われたんだ…だから一緒に来てくれない?」
「おお、そうか…なら行くとするか」
SPが迎えに来たんだろ…そう思って彼女に付いていく事にした。
「着いた、ここだよ!!片岡君またね!!」
そう言うと彼女は足早に立ち去っていった。
「こ…これは…」
そこにあったものに彼は度肝を抜かれた。
いつも通りのSPの送迎用車があると思っていたが、そこにはヤマト帝国の紋章が描かれた大きなリムジンが止まっていた。
そして、どこかで見たことのある顔をした男が現れた。
ヤマト帝国の皇族で''次期皇帝''とも呼ばれている二宮だ!
「はじめまして、片岡様。お待ちしておりました。皇帝閣下が貴方にご用との事でお迎えに上がりました。どうぞお乗りください」
訳が分からなかった。何故皇帝ともあろう方が俺を呼び出したか。
ただ階級第一のこの国、拒否する権利は俺には無かった。そして訳のわからないままリムジンに乗り込んだ。
「片岡様?表情がお堅いですよ。そんなに緊張されなくても…」
俺に気を遣ったのか二宮が俺に話しかけて来てくれた。しかし俺は何も話せなかった…
いつしかリムジンは王城にたどり着き、皇帝との面会と時が来た…
「閣下殿、例の人物お連れしました。」
「…ご苦労だったね二宮君。そこの門兵、扉を開けたまえ」
扉が開いた。皇帝との面会の時が来た。
「片岡君 君を待っていたよ… 実はな、ある任務を君に引き受けてもらいたくてここに呼んだのだよ」
何が何だか訳がわからず気が動転していた俺は取り敢えず任務の内容を聞く事にした。
「あ、あの皇帝閣下殿。その任務というのはどのような…」
「君は…ノルダムスの予言と言うものをしっているかね? 」
唐突な話に俺は言葉が出なかった
「まぁいい、その予言によれば3年後、''ラグナロク''が訪れ世界が終末を迎える。 しかし、それを回避する方法が1つだけある。 この国の何処かにあると言われている"手にすれば必ず願いが叶う''伝説の70cmのものさしを使い、世界の恒久の平和を願うのだ。さすれば世界は救われ、終末を免れることができる。 しかしだな…そのものさしがまだ見つかっておらんのだ… そこで我々ヤマト帝国は世界を終末から救うべく国家占術師ジューノの占いによって選ばれし者がものさしを探しに行く事なったのだ。 もう察しの通り、それに選ばれたのが君なのだ。 引き受けてくれるかね?」
俺は頭がいっぱいいっぱいだった。なんだ?ラグナロクって…世界が終わるのか??なんだ?70cmのものさしって…そんなもので世界が救われるのか?そもそもなんでそんな重要な任務…俺に…
でも、この世界が終わってしまうのはイヤだ!もっと生きていたい!世界がずっと平和であってほしい事を望む気持ちは俺も皇帝も同じなんだ!!
そう思うと自然と力が湧いて来た。
「閣下!分かりました!!必ずやそのものさしを見つけ出し、世界を救って見せましょう!!」
「うむ!立派な返事じゃ!!お前さんなら世界を救う英雄になれそうだな!頼んだぞ!未来の英雄よ!!」
こうして俺は皇帝の''世界を終末から救うという''志を胸にものさしを探する事にした。
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「ニノミヤ…例のセカンドの少年が任務を引き受けた…引き続き奴の監視は任せたぞ…」
「もちろんわかっていますとも…それと、セカンドの少年と例の少女との接触にも成功しました。彼女には先程次のステップに進むよう指示しましたのでご安心を…」
「ああ…分かった。ご苦労だったな」
「我々の計画まであと1050日だ…」
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